プロモーションから営業企画へ、新しい挑戦

PROFILE

岡沼 大樹

大学卒業後、営業職として飲食店の情報提供サービス企業に入社。 その後スタートアップ企業を経て2017年ラクスに入社。『楽楽精算』のプロモーション担当を経て、2021年5月に新設された営業企画課へ異動し、営業戦略立案を担う。

部分最適から脱却し、戦略的な営業組織をめざす

ラクス入社後の経歴を教えてください。

『楽楽精算』のプロモーション・企画職として2017年に入社後、約4年間、展示会やナーチャリング、Web、SNS、カンファレンスなど、プロモーション施策の企画・運営を幅広く担当しました。

その後、異動の打診を受け、同年5月には営業企画課に立ち上げメンバーとして参画。営業企画課が部に昇格後は、同部の営業戦略企画課で働いています。

営業戦略企画課とはどのような部署ですか?

営業戦略の立案・補助を行っている部署です。

マーケットの状況や顧客ニーズを深く理解したうえで、どうアプローチすれば『楽楽精算』の拡販につながるかという視点から、戦略立案や数値分析を行うことが私たちの役割です。

そうした部署が新設された背景・狙いは?

一言でいえば、部分最適からの脱却です。

『楽楽精算』の組織が急速に拡大するとともに、ダイレクトセールス、パートナーセールス、リファラルセールスなど、営業部門にそれぞれの役割に特化した部署が増える一方で、部署間の連携が薄くなり始め、事業部全体の戦略にブレが生じてしまうという課題が顕在化していました。

そこで、営業部門に横串を差す部署として、同課を新設し、戦略の深化や浸透、連携強化を図るという狙いがありました。

2年前のインタビュー記事を振り返ってみて

岡沼さんに前回インタビューしたのは、2020年8月頃でした。営業戦略企画課に異動する1年ほど前のことです。記事を改めて読んでみて、率直な感想は?

この時期はプロモーションで成果を上げ、面白さにのめり込んでいた頃なので、自分の仕事について自信満々に話しています。でも、今の私からすると、正直、あまり仲良くしたくないタイプかもしれません(笑)。

そうは言いつつも、「新しいことに挑戦できる環境」「コアスキルをいかに伸ばしていけるかをラクスでは一番重要視」「やって終わりにさせない文化」など、言葉の端々からラクスの企業文化を理解し、真摯に自身の成長につなげている様子も伝わってきます。

そうですね。会社の文化とか、組織のあるべき姿といったことに関しては、2年前の自分もしっかりと受け止めていたように思います。当時に比べて事業・組織の規模が拡大した今も、私のラクス観は変わっていません。

異動前後は、モチベーションが激しく揺れた

では、前回のインタビューから今に至る約2年間について、ライフライングラフに沿って振り返っていきましょう。

前回のインタビュー時期とも重なる2020年下期は、ポジティブに上昇傾向。しかし、2021年1月に異動の打診があった後は、一転してネガティブへ陥っています。

異動の話を聞いたとき、多少なりとも不安があったというのが正直なところです。当時は新部署の役割が定まり切っておらず、具体的に何をするのか掴めていなかったため、先を見通せないことに不安が募っていました。

そもそもなぜ岡沼さんに白羽の矢が立ったのでしょうか。

当時のラクスには、他の事業部も含めて戦略に特化した部署はありませんでした。当時の上司に聞くと、「会社としても新しい仕組みを取り入れていく試みなので、自走できる人を抜擢したい」と。そういう評価をもらえていたことは率直に嬉しかったですね。

異動後の仕事のイメージがつかず、自身のモチベーションに停滞期が訪れたものの、すぐにV字回復を果たしていますね。

異動後、新しい上長とともに、戦略立案、数値管理、イネーブルメントと、やるべきことを徐々に明確化でき、立ち上げ期ならではの高揚感もあって上向いていきました。

しかし、異動から1年も経たないうちに、スランプといいますか、モチベーションが大きく低下してしまいました。前回のインタビュー以降で最も悩んだ時期でした。

なぜだったのですか?

どの仕事に対しても、“手触り感”がなくなってしまっていたからです。

新しく立ち上げる部署は、周りからの信頼を得るため、早期にプレゼンスを発揮する必要があります。そのために必要なことがあれば何でも積極的に請け負いました。しかし、それによって広く浅く業務を行うことになり、本来果たすべき役割を全うし切れず、もどかしさもあり悩みました。

組織を拡大し、一人ひとりが戦略に深く関わる体制へ

状況をどう打開していったのですか?

上長と1on1で率直に意見を交わし合い、打開策を見いだしてきました。私から「やっている感を得られない」と率直に打ち明け、どうすればいいのかをとことん話し合いました。

そして上長と共有したのが、「組織のリソースを増やし、それぞれの役割を明確にし、仕事へのかかわりを深めていく」ということでした。

事業統括部長とも話し合ったのですか?

はい。楽楽精算の事業統括部長は毎週2~3回、部門のメンバーに向けて1on1の時間を開放してくれています。その機会を利用して、私は組織体制の見直しや役割の明確化について直接提案しました。2021年11月のことです。

どんな提案だったのですか?

私がプロモーション担当だった当時から、見込み客を育てるナーチャリングはプロモーション部門が手がけていました。しかし、異動後に営業部門へ視野を広げたことで、ナーチャリングと営業が密に連携し合う重要性に改めて気づき、ナーチャリングをプロモーションから切り離し、営業部門に移管したほうがいいと考えました。

事業統括部長にその旨を伝え、早速、プロモーション部や各営業組織とも協議を重ね、互いの意向をふまえたうえで、ナーチャリングチームを私たちの課に移管することが決定。2021年11月に提案し、翌年4月には新体制がスタートしました。

これはラクスの特徴でもあるのですが、こうしようと決めたことに対して、動きがとても速い。いい意味でベンチャーらしさも息づいている会社です。

そこから現在に至るまで、上昇傾向が続いていますね。

立ち上げ期は3名だった部署は、今は11名の組織に拡大し、課から部に昇格しています。人的リソースに余裕ができたことで、一人ひとりが業務の幅を意図的に狭め、“深さ”を出すことができるようになりました。

岡沼さん自身の役割については、どう整理していったのですか?

北海道/東北・甲信越エリアを担当する広域営業部に領域を絞り込み、戦略立案や数値分析を行っています。

プロモーション担当だった当時は、リードをつくり、育てていくことに興味が向いていましたが、今は広域営業のプロセス全体を見渡し、課題に対して戦略という手立てを打ち、PDCAを回して仕組み化を推進できることに、やりがいと面白さを見いだしています。

異動と1on1をきっかけに、キャリアの考え方が変化

前回のインタビューでは、「最終的には自分で何かを作り上げたい」という目標が語られています。2年経った今、その思いに変化は?

その目標は変わらず持ち続けています。しかし、その実現に向けてどうアプローチしていくかという考え方は、当時とは変わっています。

どのような変化ですか?

事業統括部長との1on1がそのきっかけになりました。

2年前のインタビュー記事にあるように、当時の私は「営業とマーケティングを経験できたので、次は製品企画をやってみたい。そしてプロダクトオーナーに近いことにチャレンジしたい」と考えていました。

事業統括部長にその思いを打ち明けたところ、「メンバーレベルで製品企画に移るのではなく、営業戦略部門で結果を出し、昇進してから参画したほうが、見える領域は広くなるのではないか」と。

確かにそうだと思いました。今は営業のプロセス・手法全体に関わり、マーケットの状況や顧客ニーズ、戦略上の課題といった情報にも直接触れることができるからです。

今の部署で知見を広げ、マネジメントを経験すれば、スキルに厚みが増し、より強いキャリアを歩めるのではないか。そうした視点に切り替えられたことで、めざすキャリアの実現へぐっと近づいた感触があります。

異動を機に、悩んだ時期もありましたが、いい方向に向かっていると実感しています。ラクスでこんなキャリアもあるんだと参考になれば嬉しいです。

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