ラクスの開発支援ツール導入事例(GitHub Copilot 編)

PROFILE

三田 英一

テックリード

SIerにて活躍後、2014年にラクスに中途入社。当時はまだ新規事業だった楽楽明細の開発担当に着任。現在は楽楽勤怠の開発を行うと共に、エンジニアが自発的に考え、助けあえるチーム構築に取り組んでいる。

エンジニアの生産性向上を目指し「GitHub Copilot」を導入

ラクスでは、開発エンジニアの業務効率化を目的とし、AI技術を用いたコード補完ツールである「GitHub Copilot」を導入しました。本記事では、導入の理由と経緯についてご紹介いたします。

ビジネスに大きなインパクトを与えるAI技術の進化

近年、AI技術は目覚ましい進化を遂げ、人間の生活を変えるだけでなく、ビジネスの現場にも大きな影響を及ぼしています。特にIT業界においては、その影響は大きく、AIの進化により新たな可能性が開かれています。

その一例としてOpenAIのChatGPTなどが挙げられます。これらのAIモデルは、人間が理解しやすい自然言語でのコミュニケーションを実現し、新たなAI利用の形を生み出しています。また、AIの進化はソフトウェア開発のフィールドにおいても大きな変革をもたらしています。AIによるコード生成、バグ検出、コードレビューといった機能は、開発者の負担を軽減し、作業の効率化を可能にしています。

開発環境の整備はラクスの成長戦略の一部

ラクスは、このようなIT業界の変革に対応するため、エンジニアの開発環境の整備、効率化に力を注いできました。開発者が快適にコードを書き、また新たな技術を取り入れやすい環境の整備は、ラクスの成長戦略の一部です。

そして今回、我々も業界の変革に追随すべく「GitHub Copilot」の導入を決定しました。「GitHub Copilot」は、AIを活用したコーディングアシスタントで、開発者がより高品質なコードを効率的に作成するのを支援します。コードの一部を自動生成する機能を提供し、エンジニアがより重要な課題に集中する時間を作り出すことが可能です。

ラクスでは、これまでにもエンジニアの開発環境の整備・生産性向上のため、様々な開発支援ツールを導入してきました。特に開発の要である IDE(統合開発環境)には、JetBrains 社の「IntelliJ IDEA」や「PhpStorm」を導入しています。

GitHub Copilot の導入はこれら IDE の他にも、フロントエンドエンジニアが利用する VSCode や、モバイルチームが利用している XCode にも導入を進めました。

導入にあたり各種ガイドラインを整備

「GitHub Copilot」の導入にあたり、社内のAI関連ツールの利用ガイドラインを早急に整備しました。実はこの利用ガイドラインの整備に関しては、「GItHub Copilot」だけではなく AIチャットボットである「ChatGPT」の利用を可能にするためでもありました。AI技術の導入は多大な可能性を秘めていますが、その一方で、新たな課題やセキュリティリスクも伴います。そうした課題に対応するため、エンジニアが新しいツールを安全に、かつ効果的に利用できる環境を作り出しました。

また、「GitHub Copilot」の適切な利用方法や、コード生成における注意点などを明確にし、エンジニアが新たなツールをスムーズに取り入れられるよう「GitHub Copilot 活用ガイド」を策定しました。ツールにはまだまだ向上の余地があり、使い方によってコード補完の精度に強弱が出てしまうため「GitHub Copilot」によるコード生成の品質を確認し、コードレビューのプロセスに組み込むことで、ソフトウェアの品質維持にも努めています。

今後の取り組み

これらの取り組みにより、エンジニアの生産性向上だけでなく、ソフトウェアの品質向上にも貢献することを期待しています。さらには、サービスの品質向上、そして顧客への価値提供につながります。

今後もラクスは、AI技術を活用した開発環境の構築に取り組むと共に、エンジニアの業務効率化を図りつつ、社会に対する価値提供を更に高めていく所存です。AIと共に働く新たな未来の環境においても、エンジニアの創造性を最大限に引き出し、持続可能な成長を追求していきます。

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