未経験者が経費精算の業務改善プロになるまでの教育体制とは

PROFILE

小林 拓也

大学卒業後、都内の不動産会社に入社。2015年株式会社ラクスに入社し、経費精算システム楽楽精算の直販営業へ配属となる。100社以上の企業へ楽楽精算の導入を行い、経費精算業務の改善を実現。現在は、新たに創設した大手企業向けに楽楽精算を提案するチームを率いる。

製品力が非常に高く、自信をもって営業ができる

はじめに小林さんのこれまでの経歴とラクスへの転職理由について教えてください。

前職は不動産の営業を行っていました。そこでは決められた営業手法でとにかく業務をこなすという毎日で、当然成長もできたのですが、今後さらにステップアップするために色々な挑戦をしていきたいと考えたのが転職理由です。

その中でラクスに転職した理由は大きく2つあります。1つは、急成長している企業だからこそ社内でも色々なチャンスがあり、積極的にチャレンジできる環境があると思ったからです。もう1つは、製品力が非常に高く、自信をもって営業ができると考えたためラクスに入社しました。

toC営業からtoB営業に業務内容が変わった際に、やりにくさはあったでしょうか?

たしかに営業手法に関しては個人向けと法人向けで違いはあるものの、製品を説明するという能力は前職で身についていたため、toCとtoBの違いに関してはそこまで大きなハードルを感じませんでした。

一方で、ITを全く知らない状態で入社したため、知識に関しては苦労しました。

特に、私が入社した時はまだ教育プログラムが今ほど整備されていなかったため、とにかく現場経験を積んで成長していくというスタイルでした。当然先輩や上司に相談できる環境はありましたが、かなり大変だったことを覚えています。(笑)

現在は教育プログラムが整備されているため、当時とは全く異なる教育環境があります。

知識とスキルを格段に向上できる教育プログラム

現在の教育プログラムについて、まずは概要を伺わせてください。

部署(商材)によって教育体制は異なるのですが、『楽楽精算』の教育プログラムの場合は、2~3ヶ月で1人立ち、10か月で一人前になってもらうことを目指しています。

営業として必要なものは、大きくは提案に必要な知識と営業スキルだと考えており、この2つの要素を補えるようなカリキュラムを組んでいます。

それぞれ詳しくお聞かせください。まず、どのような知識を学習するのでしょうか?

『楽楽精算』の製品知識と、提案に必要な経理の知識を学習してもらいます。

まず、入社して最初の2日間は授業形式で経費精算業務の基礎知識を勉強してもらいます。その次に、研修ソフトを使って『楽楽精算』の製品知識をクイズ形式で答えながら学んでいただきます。インプット期間は、第一段階が3か月、深いところまで学ぶのに半年程度かかりますね。

『楽楽精算』は機能が非常に多く、できることも幅広いため、インプット量は多いですが、しっかりと学習期間を設けることでカバーしています。

次に”スキル”とは何をどのように学んでいくのでしょうか?

スキルに関しては、入社直後は”デモチェック”というものが行われます。『楽楽精算』を提案するスクリプトを覚えて、お客様に的確に伝えられるかどうかを確認するプログラムです。

最初の合格基準は、お客様に対して『楽楽精算』の製品特性を最低限伝えられるかどうか。最終的に社内で管理職がチェックしてOKを出せば、同行のもとで営業活動ができるようになります。

同行営業ができるようになるのは入社後どれくらでしょうか?

大体2-3週間後ですね。なので、入社して最初の2-3週間は座学で知識とスキルを学習し、デモチェックの合格を目指してもらう形になります。

長年のノウハウが詰め込まれたチェックシート

”デモチェック”に合格したあとも教育プログラムは続くのでしょうか?

まだまだ続きます。知識に関しては引き続き研修ソフトで学習してもらいつつ、スキルの学習は次のステップに進みます。スクリプトを伝えるだけでなく、お客様に応じた提案をするためのスキルを身に着けていくトレーニングです。

具体的には、受注までのステップを細分化したチェックシートの合格を目指します。

どのようなチェック項目があるのでしょうか?

チェックシートは大きく5つのカテゴリーに分かれています。

1つ目が事前準備カテゴリー。お客様への電話・訪問前に、顧客情報(業種、従業員数、拠点数などなど)を確認した上でニーズの予測を事前に立てられているのかを細かくチェックしていきます。

2つ目が電話アプローチのカテゴリー。検討のきっかけやお問い合わせの背景の認識に相違がないかなどを的確に確認できているかどうかを見ます。

3つ目は訪問時のヒアリング、4つ目は提案内容、5つ目は決済の流れを確認するクロージングといったカテゴリーごとに、それぞれ細かくチェック項目が用意されています。

かなり細かく確認するみたいですね。

ラクスの営業は、常にPDCAサイクルを回すことが求められます。そのため、抽象的な考えや気合いだけで業務を進めることはありません。何ができて何ができなかったか、もっと良くしていくためにはどうしたらいいかを考えるため、徹底的に情報にこだわる必要があります。

特に『楽楽精算』の営業組織は分業体制が進んでいるため、労働時間を増やすことなく自分自身の業務を突き詰めることができます。営業スタイルをガチガチに縛るということではなく、営業として論理的に業務を進め、自分なりに成長してもらうために必要なプロセスを身に着けてもらうべく、教育期間から細かくチェックしています。

どのように確認していくのでしょうか?

月に2~3回、外部講師の方をお呼びしてチェックを行います。

外部講師の方には我々が作ったシナリオ通りのお客様になりきっていただき、営業社員はそこで一連の営業を行います。そして、外部講師の方が自らが受けた営業内容をチェックシートに沿って評価していきます。

自身の営業活動を客観的に評価してもらえる機会は少ないため、この時に自分の足りない部分、成長している部分などを理解してもらうようにしています。

このチェックシートの合格の目安が10か月です。チェックシートが作りこまれているので、最初の期間で時間をかけてしっかり身に着けてもらいます。

教育プログラムを進める上で大事なこと

インプットすることが本当に沢山あるんですね。

やっぱり『楽楽精算』自体が多機能なため、それを覚えるのに近道はなく、コツコツやるしかありません。

ただし、教育プログラムを終えると、基礎だけでなく応用もできるようになるため、営業として活躍できる能力は確実に身に着けられます。そのために、はじめの段階で徹底的に知識とスキルを補うためのプログラムを設けているのです。

ただ、プログラムが手厚くても本人が努力をしなければ苦しむことになると思うので、積極的に自ら学んでいく姿勢が大事になります。

怠けてしまうとすぐに分からなくなりそうですね。その他、プログラムを進めていく中で大事なことはあるでしょうか?

知識的な面でいうと、入社当初はシステムの基礎知識が大事になります。システムならではの単語がよく出てくるため、初めからそれらを理解している人はスムーズに進められる一方、理解が薄いと少し苦労します。実際に私もそうでした。笑

もちろん、知識が無い方でも問題なく補えるようにプログラムは組まれていますが、知識をつけるところから学習を始めるので苦戦してしまうことがあります。まずはそこを乗り越えることが大切です。

スキル的な面では、物事を俯瞰して考える力が大事になります。スクリプトやカリキュラムは用意しているものの、実際のお客様の要望はそれぞれ異なるので、それに応じた提案が必要になるからです。

例えば、お客様が欲しいと言っている機能よりも、実は別の機能の方が課題解決に繋がることがあります。そのため、お客様の導入背景や、「そもそもそれはやることなのか」というところから考えられる人が早期に活躍していきますね。

小林さんが教育担当として大事にしていることはなんでしょうか?

相談できる環境を作ってあげることを大切にしています。周りが忙しそうにしていたり、厳しい雰囲気を出しているとやっぱり委縮して相談しにくくなりますよね。その中で、自分の考えだけで業務を行うと成長に繋がりにくいですし、トラブルにも繋がりかねません。

なので、チームの良い雰囲気を保ったり、相談を受ければ手を止めて体ごと向き合うようにしています。

目指してほしい営業としての姿

教育プログラムを経て、どのような営業になってもらいたいと思っていますか?

やはり、顧客に応じて最適な提案ができる営業になってもらいたいです。

経費精算業務は、営業や企画、管理職、管理部門と社内全員が関わることです。そのため、業務改善のインパクトは非常に大きい。だからこそ、責任を持って最適な提案をする必要があるんです。

特に最近だと、”新しい働き方を作る”という社会的な課題解決の一翼も担っています。多様性のある働き方やリモートワークを行う上で、ペーパーレス化やクラウドサービスによる業務改善支援や、業務フロー改善ノウハウを提供することが非常に重要になっています。

新しい働き方が求められる現在、お客様自身がどうしたらいいか分からない中で、ラクスなら解決できるのではないかと期待をしてもらえています。その期待に応えられる提案ができることを目指して、しっかりと知識とスキルを身に着けてもらいたいですね。

長年の課題解決ノウハウが蓄積されているからこそいただける期待ですよね。

そうですね。クラウド型経費精算システムの導入社数は『楽楽精算』が一番多いです。(※)そのため、お客様の業務課題を解決してきたノウハウはどこよりも溜まっていると言っても過言ではないと思っています。

※  出典:ITR「ITR Market View:予算・経費・就業管理市場2020」SaaS型経費精算市場:累計導入社数ランキング(初期出荷から2019年12月末までの累計導入社数)

その他、ラクスの強みを挙げるとするとどのようなものがあるでしょうか?

やはり製品力と質の高いサポート体制です。『楽楽精算』は常にお客様のニーズに応えてバージョンアップを繰り返しているため、製品の機能が非常に強いです。加えて、ご契約後は製品導入まですべてのお客様に専任のカスタマーサクセスが無料でサポートします。

だからこそ、自信を持って営業することができるんです。さらに、実際に良いシステムだから売れるので、営業としての自信もどんどんつく。働くやりがいやモチベーションを常に感じることができますね。

数百人、数千人の業務改善に価値を感じる人と一緒に働きたい

最後に、小林さんはどういう人と一緒に働いていきたいでしょうか?

繰り返しになりますが、『楽楽精算』は導入企業全体に大きな影響を与えます。それだけでなく、これからの新しい働き方を作っていく存在でもあります。契約自体は1つであっても、その企業で働いている数百人、場合によっては数千人の業務を改善していくことができるんです。

こういうところに価値を感じて、新しい挑戦をしながら一緒に頑張れる人と、共に働きたいなと思っています。

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