西日本の教育研修を変革し、誰もが成長できる仕組みへ

PROFILE

原田 和哉

大学卒業後、金融機関で個人・法人向けの営業に従事し、2015年7月にラクスへ入社。「配配メール」「メールディーラー」「楽楽精算」の営業として活躍し、2023年4月からは西日本営業の教育研修リーダーを務めている。

教育の属人化を改善する、標準化プロジェクト

西日本(大阪、名古屋、福岡、広島)営業部門の社員は、8割以上が他業界からの転職者だと聞きました。これは教育研修を年々充実させてきたことの表れだと思いますが、さらにブラッシュアップするべく、原田さんをリーダーに2023年度から新たな教育研修プロジェクトがスタートしています。その内容は?

これまでは現場単位で新入社員の研修・OJTを行ってきましたが、それを標準化・共通化するというプロジェクトです。

西日本営業全拠点の新入社員を対象に、入社後最初の2カ月間、私たち教育チームが西日本共通の研修プログラムに沿った研修を行っています。

配属先の上長や先輩によるOJTではなく、西日本全体で共通化する狙いは?

背景には、ラクスの急速な組織拡大があります。西日本の営業部門も、私が入社した2015年から約20倍の規模に拡大しています。

西日本の営業部門はこれからも成長スピードを加速させ、ラクスが誇るSaaSの利用を広げることで国内企業のデジタル化にいっそう貢献していきます。その実現に向けて、これからも新しい仲間が増えていきますので、新入社員の成長を着実に後押しできる仕組みをつくる必要があります。

現場主導のOJTでは、「各配属先に負荷がかかりすぎる」「教える人や繁閑状況の違いによって新入社員の習熟度にばらつきが生じる」などの懸念がありました。一方、配属拠点にかかわらず、同等の質・量の研修・OJTを受けられる仕組みがあれば、新入社員は研修に専念しやすく、スムーズに業務に入りやすくなります。

そこで2023年4月、西日本営業全体の教育研修の標準化・共通化をスタートさせたのです。

リーダーに抜擢された原田さんの意気込みは?

私はこれまで「配配メール」「メールディーラー」「楽楽精算」の営業を経験してきましたが、決して最初から順調だったわけではなく、なかなか成果をあげられず苦戦した時期もありました。

その際に上司に繰り返し伝えてもらったのは、お客様の検討背景の深掘り、課題の特定、運用状況の把握を徹底するということです。アドバイスを参考にすることで、実績に結びつき、西日本営業の「楽楽精算」担当NO.1の実績をあげることができました。

そうした自分自身の経験も研修プログラムやOJTに盛り込み、新入社員の皆さんの成長をサポートしていこうと意気込んでいます。

オンラインを中心に、現場に即した座学とOJT

では、研修の概要を教えてください。

大きく3つの柱があります。会社理解、製品理解、そして商談OJTです。

会社理解とは、ラクス全体の理念やビジョン、コンピテンシー、営業手法、社内ツールの活用方法、西日本営業の方針や商流について理解するものです。

製品理解については、「楽楽精算」や「楽楽明細」など担当するサービスの内容、それに関連する業務や法律に関する知識、商談の進め方などを学びます。

これらをふまえて、実際の商談によるOJTによって営業スキルを磨くという構成です。

どのように進めていくのでしょうか。

最初の3週間で会社理解と製品理解の定着をめざします。西日本営業は大阪、名古屋、福岡、広島の4拠点にまたがっていますので、リアルな場での集合研修ではなく、オンラインでの研修やeラーニング形式の講座、ロールプレイング研修が中心です。

オンラインの研修講座は約40種類をそろえ、実践的なものばかりです。例えば「楽楽精算」は経理業務の効率化・ペーパーレス化を推進するサービスであり、導入を提案する営業としては、経理担当の方々がどんな業務を担い、「楽楽精算」を活用することでどう効率化を図れるのかを理解しておく必要があります。

そこで、業務知識を学ぶ講座では、経理経験者を講師に招き、「経理の人たちはこういうことに困っていて、『楽楽精算』のこの機能を使えばこう解決できる」という具体事例を取り入れた講義を行い、経理に慣れていなくてもわかりやすく学べる内容にしています。

座学で知識を身につけ、その次のステップは?

4週目から具体的な商談の場でのOJTがスタートします。私たちがオンラインもしくは対面にて商談に同席し、過去に取引実績のある企業を中心に商談経験を重ねます。

現場単位でOJTを行っていたときには、拠点によってリード(見込み顧客)の数や繁閑状況などが異なることから、研修期間中の商談件数に個人差が生じ、結果として拠点間で新入社員の習熟度にばらつきが出てしまっていました。

そうした差をなくすためには、OJTの「量」についても標準化を図っていく必要があります。そこで、現在は「研修中の商談は○件」という全拠点の統一基準を設定し、各拠点のマネージャーがその基準に沿ったリード数を新入社員に割り振るようにしています。

各拠点のマネージャーとの連携を密に取っているのですね。

研修内容について検討する際も、各拠点の課長クラス全員と1on1ミーティングの場を設け、人材育成について現場で実践できていること、できていないこと、課題に感じていること、統一してやってほしいことなどをきめ細かくヒアリングすることに努めました。

そのひとつとして、ロールプレイング研修が十分にできていないという声があったため、研修1カ月目に実際の商談を想定したロールプレイング研修を手厚く行い、事前準備をへて実際の商談のOJTに臨んでいくというステップを設けています。

未経験入社からスキルアップできる仕組みづくり

教育研修の標準化を進めるにあたって、留意してきたことは?

「定量化を図る」ということです。

とくにIT・SaaS法人営業未経験からスタートする方々は、研修の過程で自分がどこまでできるようになったのか、どこが足りていないのか、どういう評価・フィードバックだったのか、自分の習熟度を定量的に可視化し、フィードバックを振り返りながら自分の課題を克服していくことが大切になります。

そこで、今回の標準化ではチェックシートを新たに作成しています。「商談の際に○○についてヒアリングできたか」といった項目が並び、各項目について私たちが4段階評価とコメントをつけています。受講者はこのシートを通して随時振り返ることができ、自分の改善点を意識しながら次の商談に臨むことができます。

受講者からの質問や相談には随時対応しているのですか?

はい、チャットでのやりとりを中心に、受講者とは密にコミュニケーションを取りながら進めています。

私は名古屋を拠点にしているのですが、大阪、福岡、広島の各拠点の受講者とも違和感なくやりとりできていますし、定期的に朝礼や夕礼の時間を取って状況の確認や相談対応などを行っています。

もちろん、私だけでなく、各拠点の上長や先輩たちがいつでも相談に乗ってくれるので、新入社員の皆さんはたくさんの相談相手に恵まれたなかで研修を進められます。

ゆくゆくは企業内大学のような仕組みをつくりたい

手厚いフォローがあるから、業界未経験でもチャレンジできるのですね。

もっともっと充実させていきたいと思っています。

受講者の出身業界によって習熟度に違いが出てくることも想定されます。そうした面についても、受講者のきめ細かなニーズを汲み取り、場合によっては出身業界ごとに細分化させるなど、どんな業界から来ていただいても安心してスタートできる研修プログラムを開発していこうと考えています。

また、現在は入社後2カ月間の教育研修に専念していますが、3カ月目以降の研修プログラムも開発していきたいですし、ゆくゆくは企業内大学のようなかたちで、研修プログラムのアーカイブを誰もが自由に受講できる体制をつくりたいと構想しています。

では最後に、ラクスへの入社を検討されている皆さんへメッセージを。

前職の経験にかかわらず、ぜひ前向きにチャレンジしていただきたいと思っています。

2カ月間の研修を受講することで、早くからSaaSの法人営業の手法を身につけられると自負しています。具体的な商談の機会が多いことも、その理由のひとつです。

もちろんご自身の努力も必要不可欠ですし、周りからのアドバイスや指摘を柔軟に受け入れることも大切です。努力を惜しまず、アドバイスをもとに振り返りと改善を重ねられる人なら、なおいっそう成長できる環境だと思います。

ぜひ仲間に加わっていただき、日本一のSaaS企業をめざしましょう!

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