最も価値ある機能をタイムリーに開発し、多くのお客様に「楽」を届けたい

PROFILE

高波 顕二郎

楽楽精算開発部 開発2課 課長

SIerにエンジニアとして入社。製薬会社の経費精算システム導入案件への参画を期に、顧客や業界固有の経費精算業務に興味を持ち、上流工程・開発PMを主に担当。
ラクスには2023年5月に入社。これまでのドメイン知識を生かし「楽楽精算」の開発部門のアシスタントマネージャーを務める。2024年からは、機能開発を中心に行う課のエンジニアリングマネージャーを担当している。

ラクスに入社を決めた理由、背景等を教えてください。

「楽楽精算」は業界トップの導入社数があり、経費精算におけるデファクトスタンダードと呼べるサービスを提供している点に魅力を感じました。

前職では複数の企業に経費精算システムを導入してきましたが、そこで構築した業務フローは限られた実績や経験則に基づくものであり、「業界標準」として自信を持って提示できるものではありませんでした。
一方、ラクスはお客様の業務フローをそのまま再現するのではなく、「業界標準」を提供することで業務全体を効率化し、「楽」を届けることを目指していました。このような企業姿勢に共感したことが入社の決め手です。

また「楽楽精算」は導入社数No.1サービスですが、売上高でも今後No.1を目指すというゴール設定にもワクワクしました。

チームの役割や業務内容を教えてください。

楽楽精算の開発は、3つの課に分かれて行っています。内部構造の刷新(技術負債の解消)とオフショア開発を担当する開発1課、機能開発を担当する開発2課、そしてモバイルアプリを担当するモバイル開発課です。私は開発2課を担当しています。

まずPMMとPdMが、調査したお客様の課題から最も高い価値を提供できる要求事項を決定し、開発リストとPRD(開発要求仕様書)を作成します。私たち開発2課はそのPRDに基づき、具体的な機能要件やUX設計を行い、製造を担当します。要求仕様からどれだけお客様にとって価値ある機能を提案できるかが、私たちの腕の見せ所です。

チームが取り組んでいる課題を教えてください。

楽楽精算は年間30%以上の売上成長を達成しており、お客様の経費精算業務をより「楽」にするために、UX改善やAIを活用した新機能の導入など多くの開発案件に取り組んでいます。この成長を支え、お客様により早く価値を届けるため、以下の課題に取り組んでいます。

1つ目は、開発組織のスケールです。新規メンバーが増加してもスムーズにオンボードできるよう、再現性のある開発プロセスを構築し、誰もが同じ基準で開発を進められる仕組み作りを進めています。
具体的には、各工程の標準的な業務プロセスや、過去案件の事例や成果物を一つのドキュメントに集約し、誰でも要求から実装までの理解を深められるようにしています。

2つ目は、開発効率の向上です。開発1課ではリファクタリングを中心に取り組み、既存コードの認知負荷を下げることで、開発者がより効率的に作業できる環境を整備しています。
また、開発2課では新機能の実装を通じて得た知見を形式知化し、複雑なシステムでも品質を維持しながら開発を進められる体制を強化しています。具体的にはコード内のコメントを充実させたり、個人の学びや発見をチーム内勉強会で共有しており、車輪の再発明を防ぐことを大切にしています。

これらの取り組みを通じて、事業目標を達成するための基盤を構築していきます。

チームの業務の流れを教えてください。

基本となる業務は、次のリリースバージョンに予定されている機能の開発です。日々の業務では、3〜4名程度のメンバーでチームを組み、各自が実装、テスト作成、その成果物に対する相互レビューを行う流れを取っています。

当社では3カ月間隔の定期リリースを目標としたウォーターフォール方式を採用しています。これは、BtoBで社内の重要業務を担うシステムが多いため、システム変更が直接お客様の業務に影響を与えることを考慮し、本当に価値があると裏付けられた機能を確実にリリースするためです。

具体的には、要件定義から製造、各案件単位でのテストを開発部門で完了させた後、成果物をQA部門に引き渡し、品質保証のためのテストが行われます。たとえば、朝は進捗確認のミーティングを行い、午前中に各自のタスク(実装やテスト作成など)を進め、午後にはレビューや次のタスク調整を行う、という流れが一般的です。

このようなプロセスを通じて、価値のある機能をお客様に安定して提供しています。

仕事をする上で大事にすべき価値観やスタンスを教えてください。

取り扱っているサービスがBtoBの業務システムであるため、よい製品を作るためにはお客様の業務、課題、関連法制度などを積極的に理解しようとするスタンスが必要です。
そのためPdMとは密に連携し、PRDに記載されている顧客課題、顧客インタビュー結果、開発背景などについて、チームでの理解を深めています。
さらに経費精算に関連する法制度学習や、有識者による製品勉強会への参加も行い、顧客解像度を高めて開発に臨んでいます。

また、事業計画に基づいて適切に価値を届けていくためには開発プロジェクトをコントロールしていく必要があり、ゴールからの逆算で進めることが大事です。
開発案件全体のマイルストーンを設定し、プロジェクトを進めていく中でより具体化していく発想はマネージャーだけでなく、メンバーにも持ってもらいたいと考えています。

チームではどんな時に仕事のやりがいを感じられますか?

楽楽精算は15,000社ものお客様にご利用いただいており、それだけのお客様の経費精算業務を楽にすることに、大きな責任とやりがいを感じることができます。

お客様の業務に直接関わるシステムであるため、品質向上は特に重要です。リリース後の不具合が多くのお客様に影響を与える可能性があるため、振り返りと改善を重ね、リリースごとに品質を高める努力をしています。その結果、新しい取組みが成功し、チームの成長を実感できるときにやりがいを感じます。

また、楽楽精算は提供している機能やオプションも多数あるため、15年の運用の結果、システム規模も大きくなっています。その中で、真にお客様にとって価値のある機能を作り込んでいくことは挑戦し甲斐があると考えています。

高波さんがマネジメントにおいて重視されていることはありますか?

チームとして成果を出すことです。

開発は一人で行うものではなく、一つの機能を作るにあたっても作る担当とレビューする担当があり、機能が大きくなれば分割をして複数のメンバーで開発を行います。目標としているリリースに向けて開発を完成させるためには、一人ひとりが力を発揮することはもちろん必要ですが、どうやったらチームとして最大のパフォーマンスを発揮できるかを考えることが重要です。振返りを通じて意見やアイディアを出しながら試していく、そういったチーム体制を作ることがマネジメントとして大事にしていることです。

これを実現するためには、「考えていることを言葉で伝える」ということがとても重要です。私自身も伝えることもそうですが、メンバーからもその考えを引き出せるようにコミュニケーションを取っています。

ご自身の今後の目標、またはチームで目指す組織像等を教えてください。

「経費精算」という業務はお客様のコア業務ではないため、少しでもその業務を「楽」にすることを楽楽精算は目指しています。今後も機能だけでなく、お客様がより使いやすいようにUI/UXの改善を行ったり、AIを活用した新たな顧客体験も実現していきたいと考えています。

これらを達成するために、開発組織のスケールと開発リードタイムの短縮を両立させる必要があります。お客様に最も価値ある機能をタイムリーに提供できるよう、エンジニア一人ひとりの成長と開発プロセスの強化を目指しています。

より多くのお客様の業務を「楽」にすることに共感頂ける方とお話しできることを、楽しみにお待ちしております。

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