PROFILE
鈴木 彩加
楽楽クラウド事業本部 楽楽電子保存事業 事業責任者
大手電機メーカーグループのマーケティング・販売会社でコンシューマー向け販売戦略に携わったのち、ベンチャー企業と人材系企業で新規事業やSaaSの立ち上げ・拡大に従事。2020年10月にラクスに入社。『配配メール』のCSマネージャーを経て、2024年7月から楽楽電子保存事業をけん引する。
中小企業の「当たり前」を変える、大きな可能性を秘めたプロダクト
『楽楽電子保存』の概要から教えてください。
請求書や領収書、納品書など、企業には多くの書類・帳票が電子や紙のさまざまな形式で届き、バックオフィスではそれらを適切に処理しなくてはなりません。また、2024年1月に電子帳簿保存法(電帳法)が完全義務化されたことで、電子で受け取った帳票類を電子データで保存することが義務づけられ、企業各社は法要件に沿った対応が求められました。
こうしたバックオフィスへの負荷を軽減するべく、電子や紙で受け取った書類を一元管理・保存し、電帳法に簡単に対応できるシステムが、『楽楽電子保存』です。『楽楽電子保存』は、請求書の発行に特化した『楽楽明細』などのサービスとは異なり、あらゆる種類の帳票を電子データで一元管理できるのが特徴です。これにより、これまでデジタル化の機会が少なかった中小企業の皆様にも、確かな業務効率化をお届けすることを目指しています。 電帳法への対応ニーズの高まりとともに、導入が広がり、バックオフィス業務の新しい「当たり前」を創り出しています。
電帳法施行を経て、マーケットの現状についてはどう見ていますか?
施行からの猶予期間も経過した今、「楽楽電子保存」をはじめとする電子帳簿保存システムの市場拡大は大企業を中心に一定進みました。
しかし、導入先をひも解くと、デジタル化・システム化に敏感な大手企業が多い一方で、中小企業の皆様には、まだ私たちのサービスが十分に届いていない現状があります。
つまり、それは多くの中小企業の皆さまに、私たちのサービスを通じてさらなる業務効率化と『楽』を実感していただく機会が豊富にある、ということです。
私たち『楽楽電子保存』は、そうした潜在的なニーズに応え、より多くの企業の皆様のバックオフィス業務を革新していくことを目指しています。

「もっとラクにできる」という発見を、すべての企業へ
なぜ中小企業には十分にサービスが届いていないのでしょうか。
そうした規模の会社様では、日々の事業活動に注力される中で、書類管理の手間や負担が、本来もっと効率化できることに気づかれていないケースも少なくないかもしれません。手作業でのファイリングやフォルダへの保存も、慣れていらっしゃると『当たり前』になっていることもあるかと思います。
しかし、例えば従業員10名規模の企業であっても、毎月受け取る請求書や納品書の枚数は数十枚にのぼり、紙だけでなく、デジタル文書を受領する機会も増えているはずです。
そうした企業が『もっとラクにできる方法がある』という新しい発見をされ、管理・保存の手間・負担を一気に削減できる『楽楽電子保存』の活用メリットを知っていただければ、バックオフィスの業務効率化の裾野を広げられると考えています。
『楽楽電子保存』がシンプルで導入しやすいことも追い風になりそうです。
そう思います。バックオフィス系のソフトウェアに慣れていない企業にとっても、機能が絞り込まれているので活用しやすく、社内展開のハードルや、システム導入による業務効率の観点でもご満足いただけており、導入を検討しやすい価格設定でもあると思います。
高価な業務システムの導入にハードルを感じられている企業にとっても、導入しやすく、また、その後にさらなる業務効率に向けて楽楽シリーズの他サービスを導入するきっかけにもなりやすいと感じています。
実際、導入した企業からの反響はいかがでしょうか。
「書類の束を物理的にファイリングしていた手間や、ファイル名称の書き換えの手間など、電帳法対応に必要な工程が劇的に減り、業務がラクになった、というお声を多数いただいています。
導入前の企業の中には、紙で届いた請求書を1枚1枚スキャンしてPDF化し、ファイル名を入力し、フォルダに分けて整理するといったプロセスを経ていた企業も多くいらっしゃいます。
『楽楽電子保存』では例えば100枚の請求書を一気にスキャンしてアップロードすれば、100枚が自動的に分割され、AI-OCRが電帳法の要件に沿った形式で保存してくれるので、「効率が格段に上がった」「もっと早くに導入すればよかった」と喜んでいただいています。私たちの提案で劇的に業務改善を実感いただき、「こんなに楽になるなんて!」と驚きの声を上げていただける瞬間は、まさにソリューション営業の醍醐味だと思っています。
ラクスが培ったノウハウで、お客様に最高のDX体験を
そうした『楽楽電子保存』の価値を広めるために、どのようなアプローチでお客様に価値を届けていますか?
一つは、楽楽クラウドシリーズ各商材の営業と連携し、お客様の業務全体を効率化するご提案です。
楽楽電子保存は、バックオフィスの中でも特に業務領域の近い、楽楽明細(請求書発行システム)や楽楽請求(請求書の受領・請求書処理システム)との親和性が高く、双方を導入すれば請求書や納品書の発行~受領~請求書処理~帳票保管(電帳法対応)までの業務を一気通貫で効率化できます。これにより、お客様のバックオフィス業務を網羅的に支援し、より大きな「ラク」をお届けしています。
そのため、それぞれのサービスの営業メンバーが一緒に提案させていただくことも多いです。
もう一つ、ラクスではこれまで行ってこなかった、より多くのお客様に『楽楽電子保存』の価値を体験していただくためのアプローチも進めています。
具体的には、どのようなアプローチでしょうか?
楽楽電子保存には、無料版と有料版があり、楽楽明細で受け取った帳票の管理だけであれば無料版の中で管理・電帳法対応が可能です。
一方で、楽楽明細以外で受け取った帳票の管理や、その他有料版のみで使える様々な便利機能については、有料版にアップグレードしていただく必要がありますが、まずは無料版から手軽にはじめてその利便性や使い心地を実感した上で納得して有料版をご契約頂くケースも少なくありません。
無料版をご利用中のお客様に有料版の存在や価値を知っていただくためのアプローチとして、サービス画面上で視認できるような仕掛けを施しています。
これによって、より多くの電子保存無料版をご利用いただいているユーザーの皆様に、デジタルでの書類管理の便利さを手軽に体験していただき、お客様の業務課題や効率アップへと進んでいただくきっかけを提供したいと考えています。
そういった意味で、無料版があることによって楽楽電子保存を気軽に知って触っていただくきっかけになっていると思います。
まさに、まだ手つかずの領域を切り拓くおもしろさに満ちたタイミングですね。
おっしゃるとおりです。お客様の多様なニーズに応えるため、他商材との連携強化、無料体験からのステップアップ支援、さらには、弊社のパートナー企業を通じた地方企業へのアプローチなど、お客様に価値を届けるための可能性が無限に広がっています。
しかも、当部署はまだアーリーフェーズであるため、一人一人の影響が大きく、自分次第で提案やアイディアを通しやすい環境にあると思います。まだコンパクトな組織ということもあって、メンバーの発案をもとにいろんな施策を試しては、スピーディに意思決定し、様々な取り組みを最速で実行しています。お客様に最高の体験を届けるために、現場からの声がダイレクトに活かされる環境です。
しかも、ラクスが培ってきた基盤を活かせる。
はい、フル活用しています。
楽楽クラウドシリーズにはすでにアーリーフェーズを経て成長を遂げているプロダクトが複数あり、さまざまなノウハウや過去事例、各種資料などを入手することができます。
それらはPDCAを回して研ぎ澄まされたものが多く、『楽楽電子保存』向けに少しカスタマイズするだけで活用・展開できるので何かと重宝しています。お客様に確かな価値を提供するための、強力な後ろ盾となっていますね。
マーケティングやプロダクト戦略のスペシャリストたちの存在も大きいですね。
はい、事業部だけでなく、それを支えてくれているマーケティングやプロダクト戦略などの専門チームが各プロダクトを横断してフォローし、そこには豊富な経験と知見を持ったスペシャリストが揃っているので、本当に心強いです。
例えば、広告出稿したり、展示会を企画したりする際、1からすべてを自分たちで実行しようとすると、知見やリソースが十分でないことも多いと思います。その場合、自分たちで手探りしながらつくっていくことになりますが、ラクスでは様々なマーケティングのプロがノウハウやナレッジを注いでくれるので、お客様に最高の体験と出会いをお届けするための質の高い施策を、スピード感を持って実行できています。

真のソリューション力を磨き、キャリアが広がる
同部署で働く魅力やメリットについてはいかがですか?
やはりアーリーフェーズの段階から自分たちで事業をつくり、育てるおもしろさを味わえるのは大きな魅力です。先の見えないチャレンジを重ねるのではなく、ラクスが積み上げてきた経験・知見・ノウハウを駆使し、様々な基盤を活用しながら事業を前へ推し進めることができます。お客様に新しい価値を届け、その反応をダイレクトに感じながら、事業を成長させていく手応えを日々実感できます。
また、部署全体としては、「楽楽電子保存」の提案にとどまらず、楽楽全シリーズを幅広く提案し、お客様の真の業務課題解決を目指して活動してくれているメンバーが多いのも『楽楽電子保存』ならではの魅力だと思います。
まだ比較的小さい組織だからこそインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセス等の各チームの連携や情報・ノウハウの共有をスムーズに行うことができます。一人ひとりの意欲や適性などに応じて、インサイドセールスからフィールドセールスに転身するなど、各セクション間の異動も流動的ですから、SaaSにおけるセールスを幅広く、柔軟に経験することが可能です。お客様の課題解決に貢献しながら、営業として多角的なスキルを身につけられる環境であると言えると思っています。
営業力という面でも、得ることが大きいですね。
そう思います。先にお伝えしたように、私たちがアプローチするのは主に潜在的な課題・ニーズを持った企業様であり、営業としては企業の課題を掘り起こし、企業自身に課題の存在を気づいていただき、ニーズを引き出し、そのうえで課題解決を提案・フォローすることが求められます。
難易度は決して低くないからこそ、挑むことで大きなやりがいと、真のソリューション力を磨くことができるでしょう。

提供価値をより大きくし、一緒に事業を育てよう
今後の展望を教えてください。
お客様の課題を丹念に拾い上げ、その解決を支援するソリューション力をいっそう高め、これからデジタル化の次のステップを踏み出そうとしている、あるいはまだその一歩を踏み出せていない企業へも、ソリューションを届けていきたいと思っています。
それがプロダクトの価値となり、マーケットに認められ、シェア拡大に結びつくと考えています。私たちが目指すのは、多くの企業のバックオフィス業務におけるデジタル化を「当たり前」にすること。そのためには、お客様に寄り添い、真の価値をお届けすることが不可欠です。
その主体となるのは、メンバー一人ひとりということですね。
まさしくそうです。メンバーたちが主体的にアイデアを発し、トライ&エラーを繰り返しながらよりよい価値を生み出し、事業拡大を推進する。そうした組織でありたいと思っています。
頼もしいことに、現在もメンバーや現場のリーダーを中心に自分たちで施策を考え、スピーディにPDCAを回し、チームに展開してくれています。また、他部署へも積極的に協業を働きかけ、ノウハウや事例を共有しています。そして、最近では社内でのAI活用も進んでおり、単に生産性を上げるということだけではなく、いかに多くの情報や市況トレンドを掴み、自分たちの事業に活かしていくか、また、自分たちの事業活動における様々な質の向上をAIを活用することによって高めています。すべてはお客様に最高のソリューションを届けるため、チーム一丸となって取り組んでいます。
では、最後にメッセージをお願いします。
『楽楽電子保存』にはお客様の課題解決に真正面から向き合い、果敢にチャレンジできる環境があります。当部署で培った経験をベースに、ラクスにはさまざまな商材・事業、役割・ポジションがありますので、多彩なキャリアへ踏み出すことも可能です。
未経験の方も、心配いりません。未経験からスキルを磨ける育成プログラムを整えています。これまでも複数名のメンバーが未経験から入社し、活躍しています。
お客様への提供価値を大きくし、事業を大きく育てること。このおもしろさを共有し、お客様と共に未来を創造するパワフルなチャレンジをしたい方に、ぜひ加わっていただけると嬉しいですね。
※所属・役職はインタビュー時点(2025年6月)のものです。