PROFILE
平田 大輔
楽楽クラウド事業本部 楽楽請求事業統括課 西日本フィールドセールス1課 課長
大手総合人材会社で大学・専門学校向け学生募集支援事業に携わる。営業や企画を幅広く経験し、関東甲信越と西日本の営業責任者を歴任。2024年3月ラクスへ入社。「楽楽精算」の関西エリアの営業マネージャーを務めた後、新規事業である「楽楽請求」の営業組織立ち上げからけん引。
マーケット拡大の時流を掴み、勝算も立った
「楽楽請求」は2024年7月に提供し始めた新しいプロダクト。特徴を教えてください。
企業に届く請求書には、紙やPDF、電子データなどさまざまな形式があり、その処理が煩雑になってしまうという積年の課題がありました。
このような請求書処理業務の煩雑さを解消するために生まれたのが、請求書受領システム「楽楽請求」です。
「楽楽請求」は、請求書の受領からデータ化、支払い、保存までの一連の業務をクラウド上で一元的に管理できることが特長です。
リリースに至った背景は?
かつては請求書は紙に印刷し、捺印して郵送するという商習慣が根強く残っていました。
しかし近年、テレワークの普及や業務の非対面化が進んだことで、企業間の取引書類は急速にデジタル化。その結果、紙・PDF・電子データといった複数の形式が混在するようになり、経理部門では処理や管理の手間が一層増すこととなりました。
加えて、電子帳簿保存法やインボイス制度といった制度対応も求められる中、請求書の受領から保管までを効率化し、法要件を満たすクラウドサービスへのニーズが急速に高まりました。
こうした背景を受け、クラウド型請求書受領システムのマーケットが一気に拡大することになったのです。
その一方で、「楽楽請求」は同市場においては後発だったと伺いました。
確かに、複数の競合システム存在し、シェアを分け合っている状況でした。
しかし、後発であっても「楽楽請求」にはシェアを広げられる勝算がありました。
どのような勝算だったのですか?
大きく2つあります。
1つ目は、新規参入とはいえ、プロダクト開発の出発点に、ラクスにはすでに確かな実績とノウハウがあるということです。
「楽楽請求」は、同じシリーズの「楽楽精算」内にすでにあった一部の機能から派生するかたちで開発されたプロダクトです。
ゼロからつくったサービスとは異なり、請求書を受領・処理する際にはどのような業務が発生し、どのように効率化を図れるかという事例やノウハウが蓄積されていました。
これらをもとに、お客様の課題に沿ってブラッシュアップを重ねてリリースしたため、早期にお客様目線に立ったプロダクトを提供することができました。
2つ目は、営業面での強みです。
ラクスは「楽楽精算」や「楽楽明細」などのクラウドシリーズを通じて、累計8万社以上のお客様との接点があります。
その顧客基盤に加えて、他プロダクトの営業活動で培われた提案資料・トークスクリプト・顧客管理の仕組みなど、実践的なノウハウを「楽楽請求」の営業活動にも横展開できるのは非常に大きなアドバンテージです。
確かに、楽楽シリーズとしての基盤・ノウハウを活用できるのは強みですね。
楽楽クラウドシリーズを利用いただいているお客様は、請求書受領に課題やニーズをお持ちであることが多いです。すでにラクスのクラウドサービスをご利用いただいているお客様は、新しいサービスに対しても安心感を持って受け入れてくださいます。そのため、ご提案をスムーズに進めやすいという大きなメリットがあります。
営業ノウハウ面では、他プロダクトのセールスチームがPDCAを重ねて磨き上げた提案資料やトークスクリプト、顧客管理の仕組みなどを柔軟に取り入れ活用できます。私は別業界で長く年営業を経験してきましたが、ラクスの営業組織機能や運用体制の錬度の高さ、そしてそれを他プロダクトへ展開させる再現性の高さには、率直に驚きました。

プロダクト戦略へ顧客の声をフィードバック
とはいえ、立ち上げには大変な面もありましたか?
はい、たくさんありました(笑)。
シリーズとしての組み・ノウハウがあるとはいえ、やはりすべてが予想通りに進むわけではありません。想定外のことにも多数直面しました。
だからこそ、挑みがいがあるともいえます。
そうしたフィードバックは、プロダクト戦略を担うPdM(プロダクトマネージャー)とも密に共有し、立ち上げ当初から設計や機能のブラッシュアップを重ねてきました。
目指すは、お客様の課題・ニーズに応え、マーケットに受け入れられた「プロダクトマーケットフィット」の実現です。
販売開始から1年経った今も、営業とPdMが一緒になって、
「どうすればもっとお客様に寄り添えるか」
「どんな課題を解決できるか」
を日々ディスカッションしながら、改善を繰り返しています。
「任せてもらえるので、楽しいです」
立ち上げ期の「楽楽請求」ならではの動きですね。ずばりその魅力は?
自分たちが主体となって事業を作っていけることだと思います。
ラクスとしてこれまで積み上げてきた事例・ノウハウを活用しつつも、例えば
「どのセグメント別にどうアプローチするのか」「エリア毎にどんな戦略をとるか」
など、お客様の課題に対峙する営業自らが考え、行動することが求められます。プロダクト戦略やマーケティングの専門部署とも連携し、プロジェクトを推進する必要があります。
もちろん簡単なことではありません。
しかし、メンバーたちはこの状況を前向きにとらえ、自ら施策を立て、手を挙げ、プロジェクト化していく動きが活発です。
まだまだコンパクトな組織ということもあって、メンバー一人ひとりが事業に対してオーナーシップを持ち、リーダーシップを発揮し、他部署の人たちもうまく巻き込みながらトライしてくれています。そんなダイナミズムが、このフェーズならではの面白さだと思います。
頼もしいですね。得られることも大きいのではないでしょうか。
そうですね。お客様の業務を深く理解する力や課題分析力、他部署との連携・調整力、さらにはプロダクト戦略やマーケティングの知見、リーダーシップまで、さまざまなスキルを高められる環境です。
立ち上げフェーズに挑む組織として、他事業部からも注目が集まっているそうですね。
注目度の高さも、メンバーたちのモチベーションになっていると思います。
自分たちで考えて推進し、改善を重ねた事例・ノウハウが、事業部やプロダクトの垣根を越えて横展開される可能性が十分にあり、ラクス全体における新しい戦略・モデルを切り拓くことだってできるのですから。
平田さんのマネジメントも、メンバーの主体性を尊重するスタイルなのですか?
そうですね。「楽楽請求」のように、自分たちが主人公になって新しい物事をつくるという経験は、なかなか得られないことだと思います。
だからこそ、いろんな壁に直面することも事実です。それに対してどう乗り越えていくかを考え、動く。メンバー一人ひとりがそうしたアクションを起こし、楽しめるようにフォローし、コミュニケーションを重ねるのが私の役割であり、それが事業成長につながると思っています。
だから先日、メンバーに「任せてもらえるので、楽しいです」と言ってもらえたときには、嬉しかったですね。

自ら考えて動きたい人に絶好のフィールド
今後の展望を教えてください。
まずは、請求書受領システム市場において確固たるポジションを築くことをめざしています。
その実現に向けて、現在、組織の拡大や拠点展開を積極的に進めています。
立ち上げ当初に比べて、組織の規模はすでに約3倍に拡大しています。
拠点も東京・大阪・名古屋に加え、札幌・新潟・広島・福岡の各拠点に人員を配置し、各地域に根ざした営業体制を強化しています。
リーダー層のポジションも、これからますます増えていくタイミングですね。
はい、これから加わる皆さんにも、スピーディにキャリアアップできるチャンスが広がっているタイミングです。
リーダーシップを発揮してくれる方は常に求められていますし、リーダー層の育成にもこれまで以上に注力していく方針です。
活躍される方はどんな方でしょうか?
自ら新たな目標や課題を設定し、チャレンジしていきたいという方にとっては、絶好のフィールドだと思います。
まだまだ整っていないことも多いタイミングですので、与えられるのを待つのではなく、自分たちでつくる。そんな挑戦を楽しめる方と、新しい価値を創っていきたいですね。
※所属・役職はインタビュー時点(2025年6月)のものです。