PROFILE
鈴木 文吾
楽楽クラウド事業本部 営業戦略統括部 都市圏パートナーセールス部 部長
大手クレジットカード会社等で営業部門のマネージャーや商品開発部門の副本部長を務め、2021年12月に「楽楽精算」パートナーセールスのマネージャーとしてラクスに入社。現在は都市圏パートナーセールス部の部長として、関東、東海、関西の都市圏におけるパートナーセールスを推進。
潜在的なニーズにもリーチできる重要なチャネル
鈴木さんが推進する「パートナーセールス」について教えてください。
ラクスの営業チャネルには、「直販」と「パートナーセールス」の2つがあります。
「直販」とは、自社でテレビCMやWeb広告・セミナーなどを通じて、お客様の関心を高め、お問合せをいただいた企業に対してラクスのインサイドセールスやフィールドセールスが提案・契約までを直接サポートすることを指します。
一方、「パートナーセールス」とは、ラクスと販売パートナー契約を締結している企業様を通じて販売する営業手法です。パートナー企業様が、自社で既にお取引のある顧客に対しラクスのプロダクトをご提案いただくことで商談の機会が生まれます。商談以降はラクスのフィールドセールスが引き継ぎます。
私たちパートナーセールス部門では、パートナー企業様が顧客に対して楽楽クラウドシリーズをよりご提案いただけるよう、営業支援や情報提供、各種サポートを行い商談創出を後押ししています。
直販と双璧をなす、重要なチャネルなのですね。
近年、電子帳簿保存法やインボイス制度などへの対応が求められたことを背景に、バックオフィスのデジタル化・業務効率化の機運が一気に高まり、ラクスも多くの企業様からお問合せをいただきました。その結果、楽楽クラウドシリーズ各プロダクトで高いシェアを獲得しています。
こうした状況が落ち着いた現在においては、デジタル化に踏み出せていない企業様からのお問合せを待つのではなく、私たちから積極的にアプローチし、潜在的なニーズを顕在化させることが重要になっています。
そこで、パートナーセールスの重要性が際立ってくるわけですね。
その通りです。まだ私たちのサービスをご存じでなかったり、接点のなかった企業様にも、パートナー企業の皆さまのネットワークや営業力を通じてアプローチできることで、より多くの企業様との接点を築くことが可能になります。
地域に根差したパートナー企業と組めば、エリア戦略という面でも有効?
地域に根差したパートナー企業様と連携することで、エリア戦略の面でも大きな強みを発揮できます。
例えば地域密着型の地方金融機関様や販売会社様は、地元企業と信頼関係を構築されているため、特定エリアへのアプローチを進めるうえで非常に大切なパートナーです。
ラクスの営業リソースだけでは、全国すべての地域にきめ細かく対応することは難しい場面もあります。だからこそ、各エリアに強みを持つパートナー企業様との協業は、マーケットを広く深く開拓していくために重要な鍵となっているのです。

パートナーとして50:50の関係性を築く
パートナー企業に対してはどのような働きかけを行っているのですか?
パートナー企業の営業の皆さまがニーズのあるお客様をラクスにご紹介いただきやすくなるように、セミナー開催や戦略立案、事例共有、同行営業などを通してきめ細かく支援しています。
私たちが目指しているのは、パートナー企業の皆さまとともに成功事例をつくり、それをもとに再現性のある仕組みを築いていくことです。そのため、現在はパートナー企業の皆さま一人ひとりと密にコミュニケーションを取り、情報共有や同行訪問をきめ細かく実施しています。
コミュニケーションを取る際に意識していることは?
ビジネスパートナーとして、50:50の対等な関係を築くことです。
パートナーセールスと聞くと、どちらかに負荷が偏るイメージを持たれることもありますが、そのような関係を長く続けることは難しいと考えています。
何をもって50:50とするのか、その基準はマーケットの変化などによって変わってくると思います。そのバランスを見極めるは非常に難しいところですが、常に相手を尊重し、コミュニケーションを深めながら、顧客のために力を尽くしていれば、自ずと見えてくると考えています。
「物流業界×ラクス」など、新たな展開も始まる
新たなパートナー企業とのアライアンスは積極的に進めているのですか?
鋭意進めています。直近では、大手物流企業様との提携がニュースにも取り上げられました。
物流業界とラクスの提携は少し意外に感じますね。
一見するとイメージがつきにくい組み合わせかもしれませんが、両者にとってメリットの大きな提携であり、物流業界の積年の課題解消につながることに期待が寄せられています。
物流業界は慢性的な人手不足が続く一方で、DXによる業務効率化の大きな余地があります。これにより、従業員の負担が増しているのが現状です。
今回提携した企業様は、数十社に及ぶグループ会社を持ち、全国の企業と幅広く取引きしています。
こうした影響力のある企業様を通じて、取引先に「楽楽クラウド」シリーズをご提案いただくことで、業界全体のデジタル化を促進し、課題解決に貢献できると考えています。
もちろん、私たちにとっても新たなマーケットにアプローチできる大きなチャンスとなり、事業成長にもつながるメリットがあります。
今後も、先入観にとらわれず幅広い業界で課題解決に資するパートナーシップを模索し、パートナーならではの強みを活かしてリーチを拡大していきたいと考えています。

多くの関係先と協業し、コンサルティング力を磨ける
今後も重要度が増すパートナーセールス。そこで働く魅力とは?
ラクスでパートナーセールスに携わる魅力は、大きく2つあります。
まずは、ラクスのプロダクトを横断的に扱えることです。
直販の営業組織では、担当プロダクトについて専門性を深め、特定分野における顧客の課題解決をリードしていきます。いわばスペシャリストです。
一方、私たちパートナーセールスは、ラクスの全プロダクトを扱い、顧客の課題・ニーズに応じて「どのプロダクトをどう活用するのが効果的なのか」をパートナー企業と連携して検討し、提案を進めます。
いわばバックオフィス業務のコンサルタントのような役割であり、ラクスのプロダクト全般について幅広い知見や対応力を身につけることができます。
もう一つの魅力は、関係者の多さと協業の幅広さです。
パートナー企業と一緒に推進戦略を考え、顧客企業の課題を明確にしていくのはもちろん、 社内のフィールドセールスやカスタマーサクセスとも密に連携しながら、導入から活用まで関与します。
関係先との調整力や目標に向けて巻き込む力、推進力などが磨かれる一方、自分だけでは完結するのではないため、全体最適の視点も養うことができます。
まさに、コンサルティング的な要素が強い役割ですね。
その通りです。エンドユーザーである顧客企業、パートナー企業、自社のセールス部門など、さまざまな関係先の課題を洗い出し、戦略を立て、目標達成を支援します。
難しい舵取りを求められる分、パートナーセールスとして得られる経験・スキルは、自身の市場価値を高め、キャリアを歩むうえで強力な武器となるはずです。
圧倒的なシェア獲得に欠かせない戦略部門へ
パートナーセールスの今後の展望をお聞かせください。
今後は、よりパートナー企業様と長期的なビジョンを共有し、パートナー様の販売戦略にも関与しながら、成果創出を目指していきたいと考えています。
現在は、パートナー企業の皆さまと丁寧にコミュニケーションを取り、営業同行やノウハウ共有を重ねながら商談を創出しています。ただ、パートナーセールスが今後さらに拡大していく中で、このような手法のみに頼るのは限界があります。
これからは、私たち自身が“戦略部門”としての役割をより強めていきたいと考えています。
どのような業種や企業群へ、どのような切り口でアプローチすべきか。他部署であるフィールドセールスの皆さんとも協力しながら、事前に設計された道筋を示し、パートナー企業様との商談の起点づくりを全社的に支援する。そのような組織への進化を目指しています。
コンサル集団としてより進化していくイメージをお持ちなのですね。
難易度は決して低くはありません。だからこそ、挑みがいがあると思っています。
パートナーセールスは、今後SaaS業界全体でもより重要な役割を担っていく領域です。
市場の成熟化が進むにつれてシェアを左右する「主戦場」になると考えており、ラクスのプロダクトがその中で存在感を保ち続けるには、パートナー企業様との協業が不可欠です。
私たち自身が、会社の成長を支える一翼を担っているという意識とやりがいを胸に、これからも挑戦を続けていきます。
では最後に、新しい仲間へメッセージをお願いします。
チームで動くことが好きな方や、ご自身のコミュニケーション能力に自信があり、社内外の人と信頼関係を築きながら成果を出していきたい方には、パートナーセールスはぴったりの仕事です。
SaaSの最前線でコミュニケーション力や課題解決力、推進力などを磨きながら、自分自身の市場価値を高めたい方は、ぜひ一緒にチャレンジしましょう。

※所属・役職はインタビュー時点(2025年6月)のものです。