CSからPMMへ。顧客との対話経験が、顧客起点の製品企画に活きる

PROFILE

■太田 諒子(写真左)

大学卒業後、文具メーカーに入社。製品企画やEC運営に携わった後、2016年4月ラクスへ入社。
3年間『楽楽精算』のカスタマーサポート業務を行い、製品企画課へ異動。『楽楽精算』の新機能・サービスの企画とリリース、他企業とのアライアンスなどを担当している。

■石丸 敬大(写真右)

大学卒業後、AI関連事業を扱うベンチャー企業で自社サービスのカスタマーサクセス、受託開発のコンサル営業等に従事。
2021年2月に『楽楽精算』のカスタマーサクセスとしてラクスに入社し、カスタマーサクセス企画(現カスタマーサクセス戦略)を経て製品企画課へ異動。現在はカスタマーサクセスの経験を活かしながら、新機能・サービスの企画、サービス設計、法制度対応の推進等を担当している。

CS経験を経てPMMへキャリアを変えた経緯

お二人がラクスに入社した理由から教えてください。

太田:
新卒で就職した文具メーカーで製品企画やEC運営に携わり、面白さを感じてはいたものの、一方で文具の将来性について疑問を抱くようになり、入社4年目に転職活動を始めました。
ラクスに決めたのは、ラクスが手掛けるBtoBのクラウド型サービスに将来性を感じたことと、売って終わりではなく、サービスを進化させながら顧客と長期的に関わることができる点が前職と異なり、興味を抱いたからです。

石丸:
私の前職は小規模なベンチャー企業。メインとなる役割を持ちつつも、限られた人材で多くの仕事を回す必要があったため、いわゆる「何でも屋」状態になっていました。業務の幅が広く楽しかった一方、本来の業務上の役割に集中して働いてみたいと感じていたことが転職のきっかけになりました。

前職ではカスタマーサクセス(以下、CS)の立ち上げも経験し、やりがいを感じていたので、ラクスのCS募集に応募しました。立ち上げフェーズではなく、既に組織としてサービスを提供しており、PDCAを回しながら改善を続けている、という環境で、改めて一からCS業務にチャレンジしたいと考えたのが、ラクスを選んだ理由です。

お二人とも『楽楽精算』のCSを経験後、製品企画(以下、PMM)へ転身しています。その経緯は?

太田:
当時の上司から「もし興味があれば…」と、非常にフラットに異動の打診を受けたことがきっかけです(笑)。当時は『楽楽精算』の製品企画課を立ち上げるタイミングで、立ち上げメンバーの一人としてチャレンジしてみないかと。

前職で製品企画に携わり、ラクスでも企画職をやってみたいという気持ちが元々ありました。また、CSとしてユーザーの生の声に触れ、「製品をこう改善したほうが使いやすい」と考える場面が結構あったので、PMM(プロダクトマーケティングマネージャー)としてユーザー目線で具現化できることに惹かれ、快諾しました。

石丸:
私も同じように突然声がかかりました(笑)。当時はCS企画(現CS戦略)としてCSの戦略立案を行っていたので、製品企画に適性があると思っていただけたのかもしれません。もともと製品企画については面白そうと感じていて、そのきっかけをくれたのは、実は太田さんだったんですよ。

太田:
そうだったの?

石丸:
『楽楽精算』のCS時代に、電子帳簿保存法改正に向けた製品改修が行われ、お客様から運用について問い合わせを多くいただく時期がありました。その対応に追われていた際、製品企画課で改修の担当だったのが、太田さん。知識面で補ってもらい、とても助かったことがありました。それをきっかけに、PMMの仕事がぐっと身近になり、役割や存在価値について解像度が上がったんです。

太田:
めちゃくちゃ嬉しい(笑)。あの改修は製品企画課としても大仕事だったので、よく覚えています。
PMMは、お客様の声や市場・業界の動向などを徹底的に検証し、製品改修をプロジェクト化して推進するので、機能・運用について誰よりも詳しくなります。お客様の導入・運用に寄り添うCSの期待に応え、頼りにしてもらう立場にもあるので、そう感じてもらえたのなら嬉しいです。

関係各所を巻き込みながら、市場に価値を届ける

お二人がPMMとして担っている仕事について教えてください。

太田:
営業やCSが収集したお客様からの声をもとに、『楽楽精算』の新機能を検討し、開発部門と優先順位や開発内容の調整をしながら製品に反映しています。そして、営業・CS・マーケティングの活動を介して、『楽楽精算』の価値を市場に届けることが、PMMの主な業務です。それに付随して、営業・CS・マーケティング・戦略・開発・コーポレートなどの各部門や協業各社との調整業務にも関与します。

石丸:
『楽楽精算』の価値を市場に届けるという面では、機能の開発だけでなく、価格をどう設定すれば市場に受け入れられやすいか、お客様にどんな情報を提供すれば製品を使い続けていただけるかといった視点から、市場への出し方や売り方、情報共有のしくみなどにも携わります。私が主に担当している法改正対応の推進も、PMMの重要な役割です。

太田さんは主に新機能の開発に携わっているのですか?

太田:
そちらの比重が大きいですね。営業・CSを通じてお客様からの声を積み上げ、優先度の高い課題について検討・案件化し、解決のための機能開発に取り組んでいます。例えば「スマホアプリの入力画面の挙動がしっくりこない」といった声に対して、何がどうしっくりこないのかを検討し、開発チームと課題を具体化して対応するというイメージです。一方、法改正に向けた機能改修については、お客様が運用する前に行政の動きが先行しますので、法改正の内容をもとにお客様にとって必要となる機能を洗い出します。

石丸:
法改正対応では、監督官庁からこういった業務が必要になると明示される訳でもないため、課題の抽象度が高く、法改正に関する情報・意見を集めながら必要な機能を具体化していきます。

いずれも難しいプロセスですね。意識していることはありますか?

太田:
課題を具体化するためには、仮説と検証が重要になります。「お客様にはこういう業務が発生する。だからこの機能が必要」といったように、収集・分析した情報をもとに仮説を立て、検証し、必要に応じて軌道修正しながら進めています。そうした試行錯誤を経るからこそ、製品改修がお客様の業務支援につながり、自社の営業やCSの顧客対応の後押しにもなれたとき、新しい価値を市場にお届けできた嬉しさと手応えを強く感じます。

石丸:
市場に届けるプロセスにおいて、私たちPMMは自分たちの手で製品をつくれる訳ではなく、市場に届けられる訳でもありません。開発、マーケティング、営業、CSなど、部署を横断してさまざまな職種の人たちを巻き込み、プロジェクト化して推進するのが私たちの役割です。

そのため、私が重視しているのは、いかに納得感を持ってもらえるか。「なぜこの機能が必要なのか」「どうしてそのしくみを活用するのか」など、背景や目的をわかりやすく言語化し、丹念に丁寧に説明するということです。それが開発による市場にマッチした製品づくりや、営業・CSによる納得のいく提案に結びつき、ひいては市場・お客様への価値提供につながると考えています。

大切なのは顧客理解。そのベースとなるのは好奇心

そこにCS時代に得た経験がどう活きていますか?

太田:
もうシンプルに、お客様と直に対話した経験です。CSとして数多くのお客様に向き合い、さまざまなお客様の導入時のつまずきや運用時の困りごとに触れてきたため、「7割のお客様がこの困りごとに直面しているから、製品として対応する必要がある」といったことも体感としてわかるようになりました。この感覚は、担当する製品が変わっても活かすことができ、PMMとしてユーザーニーズを捉えた製品企画をめざす上で大きな財産になっています。

石丸:
営業がフォワードとすると、CSはバランサーのようなポジション。お客様の継続的な利用を支えるために、CSは時には開発や営業と連携し、各所のニーズを調整する役割を帯びています。PMMとして機能開発や販売のしくみづくりなどを行う際も、お客様がどのように活用され、どんなお困りごとが起こり得るかということを想定しながら、各所との調整役を担います。そういう面で、バランサーを担ったCS時代の経験が活きていると思います。

では、お二人が考える「PMMに向いている人」とは?

太田:
好奇心・探求心が強い人ですね。「なぜお客様はこう考えているのだろう」「なぜこの機能が必要なのだろう」と、表面上の情報だけでなく、理由や背景にまで目を向け、掘り下げていくこと。それによってロジカルによりよい製品企画や販売のしくみを導き出すことが、PMMの役割であり、存在価値だからです。

石丸:
太田さんの言う通りです。「こうなんじゃないか?」と疑問を持ち、自分の意見を論理的に検証して発信することが、PMMではとても大事だと思います。

意見が尊重される会社。育休取得も快諾された

そうした意見を発信しやすい環境が、ラクスにはあるということですか?

太田:
そう思います。これはラクスに入社してよかったと感じていることの一つで、ラクスにはお互いの意見・考えを聞く文化が当たり前のように根づいています。

石丸さんが感じている、ラクスを選んでよかった点は?

石丸:
仕事の話から離れますが、第一に挙げたいのはワークライフバランスを整えやすいところです。私にはふたりの子どもがいて、ふたり目の子どもが生まれた際には、1カ月間の育児休業を取得しました。生後まもない子どもと保育園に通う上の子どもに寄り添い、妻の産後のフォローを行うためです。

育休取得を申請した際には、上司から「いいじゃん。寄り添ってあげて」と言ってくれて、PMMや業務上関わりの深い他部門のメンバーも「楽しんできて」と快く送り出してくれました。そうしたライフイベントへの理解が浸透している会社です。

最後にお二人の抱負を聞かせてください。

太田:
私は近々『楽楽明細』の製品企画チームへ異動する予定です。CS時代を含め、『楽楽精算』以外のサービスに携わるのは初めてのことですから、楽しみにしています。これまでのスタンスと同じく、顧客理解を徹底的に追求し、お客様にどんな課題があるのか、『楽楽明細』でどう解決できるのか、キャッチアップして具現化していきたいです。

石丸:
太田さんは製品企画課の立ち上げメンバーであり、課の内外から頼りにされてきた存在です。太田さんのようにCS時代の知見を活かして、できるだけ社歴の浅いメンバーのフォローやアウトプットのレビューなどに努め、自分自身も成長をめざします。

太田:
ありがとう。期待しています!

※所属・役職はインタビュー時点(2024年8月)のものです。

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