営業経験を強みに、新プロダクトのPMMとして売れる仕組みづくりを推進

PROFILE

太田 駿

2012年、新卒でブライダル関連企業に入社し、法人営業担当として関東・関西地域のホテル・結婚式場約70社を担当。その後、大手駐車場企業でのカーシェアリングサービスの営業職を経て、2016年にラクスに入社。『楽楽精算』の営業に7年間従事し、2023年より『楽楽請求』のPMMとしてGo to Market領域を担当。

営業時代に欲しかった仕組みを、PMMとして具現化

ブライダル、カーシェアリングの営業を経験後、ラクスでは約7年間、『楽楽精算』の営業に従事されました。そこからPMMへ転身した経緯を教えてください。

ラクス入社前に勤めた2社と合わせると、約11年間、営業経験を積み上げてきました。この経験を生かし、新しいチャレンジに踏み出したいという思いを抱いていたのが、ちょうど異動の声がかかるタイミングだったのです。

漠然とではありますが、ビジネスのより上流で経験を積みたいと考えていたところ、まさに上流の製品企画や売るための仕組みづくりを手掛けるPMMをやらないかという話をいただき、前のめりでキャリアチェンジに至ったという感じです。

PMMをやりたいという気持ちを周囲に伝えていたのですか?

いえ、伝えてはいなかったのですが、営業時代から「太田にやらせてみよう」と思ってもらえていたのかもしれません。というのも、私は製品企画がまとめた製品の仕様や機能の変更・改善案について、営業としてレビューする役割を担っていました。製品企画の人たちとコミュニケーションを取る機会が多く、「ユーザー視点で考えるとこう思う」といったブレストを日頃から行っていたので、目に留まったのだと思います。

白羽の矢が立ったのですね。PMM転身後、どんな役割を担っていますか?

2024年7月に販売を開始した新プロダクト『楽楽請求』のGo to Market領域を担当しています。私がPMMとして合流したのは2023年10月で、当時はプロダクトの大枠の概要や方向性が見えてきた段階でした。
そうした中で私に託してもらえたのは、プロダクトを売るために必要な仕組みづくりです。どんな人とどんな営業組織をつくり、どんな売り方を実践するのかを考え、仕組みを揃えるということを進めていきました。

まさに営業経験を生かせる役割ですね。

おっしゃるとおりです。営業時代に培った経験や視点を生かし、営業を支援する販売管理システムの要件や、『楽楽請求』の営業に必要となるスキルの定義、それに基づいたイネーブルメントの草案、顧客との折衝に用いるスクリプトの作成などに取り組みました。

特に意識していたのは、『楽楽精算』の営業時代に「こんな仕組みが欲しい」と考えていたことをカタチにするということです。

営業が得た競合情報をデータベース化し、バリュープロポジションの確立に活用

例えばどんな仕組みですか?

競合製品に関するナレッジ共有の仕組みです。営業はお客様とやりとりする中で、「他社製品はこうだよ」といった情報を得ることが少なくありません。そうした情報は、ユーザーニーズを捉えた提案や製品創りを行ううえで重要な資産になります。

ただ、これまではそうした情報を資産として管理する統一的な仕組みがなく、各々の経験値として属人的に点在している状況でした。そこで、『楽楽請求』においては販売管理システムにデータベースを設け、営業メンバーそれぞれが獲得した競合情報を簡単に入力し、誰もが閲覧できる仕組みをつくりました。さらに、各投稿に「聞いたことあるボタン」を設け、同じような情報を聞いたことがある人がいるかどうかを可視化し、情報の信ぴょう性を測ることができるようにしています。

営業メンバーの皆さんの利用状況はいかがですか?

嬉しいことにとても活発に投稿・共有してくれています。私も営業だったのでわかるのですが、できれば顧客対応や提案準備などやるべきこと以外に手を煩わしたくないというのが、営業の本音だと思います。投稿の際の入力業務の簡略化を図ったのも、できるだけ営業の負担を軽減するためです。

でも、ナレッジを共有するメリットは営業にとって大きく、私は「みんなの投稿がよりよい製品づくりにつながり、その成果が提案しやすさや顧客ニーズを捉えた価値提供につながる」というように趣旨・目的を丁寧に伝えました。それに対して営業が納得感をもってくれたことが、活発な活用にも結びついていると思います。

このナレッジ共有の効果が本格的に表れるのは、これからですね。

そうです。ただ、すでにPMMの重要な業務であるバリュープロポジションの探索にかなり役立っています。営業が投稿してくれたお客様からのリアルな声を参考にして、お客様が利用されている競合サービスのここが優れている、ここには弱みがあるといった整理ができ、相手を知ることで競合区別化の検討をより深く、精度高く進めることができています。また、プロダクトをどう強化していくか、という材料としても蓄積することができているので、開発計画にも活かされていく見込みです。

太田さん考案の施策が、いずれもうまく機能しているのですね。

いえ、成功したといえるのは一握りですよ。外してしまった施策のほうが多いです。
ただ、意識しているのは、同じ外し方はしないということです。
いろんな施策にトライする中で、「こういう理由で駄目だった」「こういう理由でうまくいった」と正解・不正解をすみ分け、それによって不正解を繰り返さず、逆に正解の再現性を高めるということを重視しています。

仕組みが機能し、初受注が決まった時の喜びは忘れない

PMMに転身して感じる、仕事のやりがいは?

自分でつくった仕組みがマーケティング、営業、CSの最前線で活用され、具体的な成果に結びつくと、役立っていることを実感できて嬉しいですね。それが私にとっては一番のやりがいです。それをダイレクトに体感できたのは、『楽楽請求』の初契約の知らせが飛び込んできた時です。

販売前からどうすれば売れる、選ばれるプロダクトになるのかを考え、仕組みづくりを丹念に進めてきたので、実際にお客様に選んでいただき、契約が決まったときの手応えはとても大きかったです。初契約の知らせがチャット上に届くやいなや、各所から次々と喜びのスタンプがつき、祭り状態になりました(笑)。

営業時代とは違ったやりがいですね。

そう思います。振り返ってみると、営業時代にはユーザーニーズを捉えたプロダクトがあり、売るための仕組みがあったからこそ、受注活動に注力できたと思います。
今はPMMとしてそうしたプロダクトや仕組みをつくる立場であり、最前線の人たちをサポートする役割。営業時代とは違った角度から挑み、有意義な経験を重ねることができています。また、私は元々心配性で、先々のことを考えて情勢に左右されない強いキャリアを築きたいという思いを持っています。営業からPMMへシフトし、より上流を担う日々は、まさにキャリアを強くする貴重な経験。自分のキャリア形成という面でもやりがいを強く感じています。

PMMに転身後、ラクスのリーダーシッププリンシプルの中でより重視していることはありますか?

2つあります。「自分自身の会社だと思う」と「他者の考えを受け入れる」です。

PMMになって以降、営業時代と比べてさまざまな部署やレイヤーの人たちと関わる機会が格段に増えました。それぞれに事情や都合があり、課題を有しているなか、PMMはそれらを自分事として受け止め、当事者意識をもって解決をめざすことが求められます。
そういう意味で、自分自身の会社だと思い、当事者として課題に向かっていく姿勢が重要になると考えています。
一方、その副産物ともいえるのですが、自分自身の会社だという思いが強いと、とかく「自分が引っ張るんだ」という気質も余計に強くなりかねないと思っています。

しかし、PMMはさまざまな部署・人と連携し、協力を促し、施策を前へ進める立場ですから、相手の意向をふまえることが欠かせません。その意味で、「自分自身の会社だと思う」と「他者の考えを受け入れる」をセットで重視するようにしています。

事業責任者をめざし、日本経済に一石を投じたい

ラクスを転職先に選んでよかったと思うことはありますか?

スキル、経験、ワークライフバランスのそれぞれの面であります。

スキルについては、ラクスではロジカルに考え、PDCAを回すことが重視されるため、何をするにしてもPDCAを意識し、仮説と検証を繰り返すスキルを身に付けることができました。特にPMMは考えることが仕事なので、考えて探求することが楽しいという方にとっては、非常に恵まれた環境だと思います。経験という面では、ラクスは多角的にプロダクトを展開しているため、1社にいながらさまざまなプロダクトやマーケット、職種を経験するチャンスがあります。営業からPMMに転身できたのも、そうした環境があるからだと思います。

そしてワークライフバランスについては、私は営業時代に子どもに恵まれ、育休を取得しました。PMMの現在は定時内で仕事を終え、1歳の子どもと過ごす時間を大切にできています。私はプライベートと仕事の充実は表裏一体だと思っていて、その面でラクスに入社後、プライベートの充実が仕事にも好影響を及ぼしていると思います。

最後に目標を教えてください。

事業責任者になって、日本経済に一石を投じたいと思っています。
これまで営業を経験し、PMMの今は売る仕組みづくりに挑んでいます。
これらの貴重な経験をふまえて、事業責任者として世の中をよりよくする事業を市場に届け、広げていきたいですね。

※所属・役職はインタビュー時点(2024年8月)のものです。

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