PROFILE
玉木 聡
スキーのインストラクターやスクール校長、スキー場支配人を経て、2021年6月にラクスに入社。西日本営業でのインサイドセールス業務を立ち上げ、チームの成果を拡大させている。
手薄だった「リサイクル」の掘り起こしに着目
玉木さんがラクスに入社した2021年当時、インサイドセールス(IS)業務は東京に集約されていました。玉木さん主導のもとで西日本でのIS業務が始まり、現在は20名近くのISチームに拡大しています。まずは立ち上げの経緯から教えてください。
ラクス全体で掲げた5カ年計画の達成に向けて、当時の西日本営業では東京のWebマーケティングが創出したリード(見込み客)を引き継ぎ、フィールドセールス(FS)が商談に臨んでいました。しかし、計画達成のためにはリード数をさらに増やす必要があり、東京に頼るだけでなく、西日本独自でWeb経由以外のリードをつくっていこうという機運が高まっていました。
そこで白羽の矢が立ったのが、「新しいことにチャレンジできて面白そうな会社だ」と、意気揚々とラクスに入社した私だったのです。
新たなリード創出に向けてめざしたのは、ラクスがまだ接触していない新規顧客へのアプローチと、「リサイクル」への取り組み強化でした。
SaaS業界で言う「リサイクル」とは、商談・検討の段階で導入に至らなかったお客様へ再度アプローチし、あらためて再提案の機会をつくる取り組みですよね。
そうです。西日本ではリサイクルがおろそかになってしまっていて、受注につなげる機会をみすみす取り逃している状況が見受けられました。せっかく創出したリードが資産として活用されていなかったのです。
では、どのように進めていったのですか?
まずは新規顧客にアプローチし、西日本が独自にリードを生み出す流れをつくることから始めました。約半年間、新規アプローチを行ったうえで、リサイクルにも着手し始め、試行錯誤を繰り返しながら仕組みをつくっていったという感じです。
商材別にISが稼働している東京と違い、西日本営業では商材の垣根を超えたクロスセルに積極的に取り組んでいますよね。
例えば、過去に「楽楽精算」をご検討いただいたお客様にお電話し、「楽楽明細」で解決できそうなニーズも掘り起こせたなら、双方のFS同席による商談をアレンジします。
そうするほうがお客様にとって効率的ですし、双方のFS担当者もそれぞれのヒアリング内容をその場で共有でき、お互いの提案の精度・スピードを高めることができます。
実際、西日本では複数商材のアポイントを取得することが多く、なかには4つの商材のアポイントを一度に取得するメンバーもいます。
西日本共通のデータベースを築き、状況が好転
「試行錯誤を繰り返しながら仕組みをつくっていった」と伺いましたが、すんなりといったわけではなかったのですね。
小さな怪我をたくさん負いながら、研ぎ澄ましていったという感覚です(笑)。
新規アプローチを始めた当初は、FSチームから「アポ取得時のヒアリングが甘く、商談を進めにくい」といったフィードバックを受けることが目立ちました。
アポイント取得の質がよくない。変えないといけない。そう真摯に受け止めた私は、FSに「どんなアポだったら商談にスムーズに入れる?」「お客様に何を確認しておくとやりやすい?」と、FSの希望に沿えるように丹念にヒアリングを重ね、自らのアポイント業務に反映するように努めました。
お互いに意見を出し合い、改善をめざしたのですね。
ISはお客様とFSの”つなぎ役”であり、FSがお客様に貢献できるようにアシストする立場。そのため、「アポを獲得して終わり」という意識ではなく、「お互いに協力しあってより良い提案ができるアポを取ろう」というスタンスを大切にしていました。
これは今も、これからも変わらず、メンバーたちにも伝えていることです。
そうすることで、質の改善が見られた?
そう思います。独自に取得したリードから受注に結び付くケースが少しずつ増えました。しかし、立ち上げ期には他にも解決すべき課題に直面していたんです。
それは、製品別の進捗管理の問題です。
といいますと?
新規顧客とリサイクルのリストをもとに、当初は製品別にアプローチしていたため、「ついこないだ、『楽楽精算』の○○さんから提案を受けましたよ」と、製品間でバッティングしてしまうケースがあったんです。
交通整理の必要性を痛感した私は、「楽楽販売」を活用してお客様へのアクションリストを作成・共有化し、架電日時、反応、検討状況などの可視化を図りました。
このデータベースが西日本営業の共通基盤として活用され、リサイクルの取りこぼし抑制や、クロスセルのアポイント取得・調整の促進にも結びつくようになったのです。
数々の課題に向き合ってきたのですね。
はい、立ち上げの1年目は「どう進めればいいんだろう」と、もやもやした状況が続いたことも事実です。
しかし、FSとコミュニケーションを取り、一つずつ課題を払拭して仕組み化していったことで、2年目に入ると商談アポイントの質も量も大幅に向上しました。3年目の今はリード⇒受注の見込みが立ち、営業チームの予算計画にも組み込まれています。
社長賞受賞にもつながりました。手応えは?
チームとして受賞を果たし、みんなで喜びを分かち合いました。FSの仲間も「よかったね」「おめでとう」と称えてくれて、うれしかったですね。
ISは自分たちでは受注しないこともあって、受注数のアワードでは対象外だったりもするのですが、しっかりと実績をあげれば貢献度を認めてもらえる。そう実感できた契機にもなりました。
As is/To beの考え方が自分の中に浸透した
IS立ち上げを通して、西日本営業はどんな組織だと感じていますか?
新しい施策を前向きに受け入れてくれて、「まずはやってみよう」とチャレンジを後押ししてくれる組織です。上司も「自分でルールを決めていいよ」と、私を信頼してドンと任せてくれています。
私は前職でスキー場の運営コンサルティングを担い、スキー場や周辺の観光業の皆さんと地道にリレーションを築きながら、新しい施設やサービスを立ち上げてきました。元来、ゼロからつくることにやりがいを感じるタイプなので、新しいことに前向きなラクスがとても合っていて、つくるプロセスを楽しむことができています。
立ち上げて終わりではなく、再現性が求められることもラクスの文化ですよね。
そのとおりですね。しかも、ただ再現するだけではなく、つねに上をめざして仕組みをブラッシュアップし続けることが求められます。これは、私が上司から重ねてアドバイスしてもらっていることで、つねに意識して取り組んでいます。
そんなラクスに入社後、自分自身に感じる変化は?
As is/To beの考え方が自分に浸透したように思います。つまり、現状(As is)と理想(To be)を把握し、何ができているのか、できていないのかを分析し、そのギャップを埋めるための対策を導き出すということです。IS立ち上げを通して、数々の課題に取り組んできた経験が大きいと思います。
また、前職では関係先の方々を個別で訪問し、わかりやすく丁寧にご提案するというスタイルでした。一方、ラクスでは自分の考えや施策をスピーディに実践し、PDCAを回すため、ときにはWeb会議上で数十人の参加者へ施策を説明することもあります。そうした経験を重ねることで、ロジカルに、スピーディに伝えるスキルが磨かれていると感じます。
新しい施策や新しいスキームづくりに挑み続けたい
今後の展望を教えてください。
私1人で始めたISの取り組みも、今では20名近くのチームで動くようになりました。今後もチーム拡大を図り、商談アポイントの質・量を高めていきます。
そして、私たちISが西日本独自のリードを創出し、FSは商談・契約に専念するという仕組みを確立し、ラクス全体の計画達成に貢献していきたいと思っています。
個人的な抱負はありますか?
まずはスキーのインストラクター経験を活かして、ラクススキー部の立ち上げに動きます(笑)。
プロモーション部門と連携して新しい施策を打ってみたいですし、リサイクルの効率化に向けてメールマーケティングにもトライしたいです。新しいスキームからいろんな商談をつくっていきたいですし、多様な人材が活躍できる仕組みづくりにも興味があります。
やりたいことがどんどん浮かんできます。ラクスにはさまざまな可能性が広がっていて、これからも新しく面白いことができそうだと、考えるだけでワクワクしますね。