PROFILE
渡邉 梨沙
大学卒業後、法人向けメンタルヘルスケアサービスを提供する企業で新規営業やマーケティング、営業企画を経験し、2021年5月に『楽楽精算』カスタマーサクセスとしてラクスに入社。現在は主に中小企業の顧客に対するサービスの導入支援とアップセルを担当する。
「1対1で向き合い、寄り添う力」を磨きたかった
転職前からカスタマーサクセス=CSの仕事に興味があったのですか?
はい、CSに絞り込んで転職活動を進めました。
CSはまだ新しい職種だったと思いますが、なぜだったのでしょう。
私は新卒入社の企業で新規営業、マーケティング、営業企画と、幅広い業務に携わりました。とても貴重な経験です。しかし一方で、将来への漠然とした不安が付きまとっていたんです。新卒から同じ会社でキャリアを重ねていくと、この会社の枠組みの中でしか通用しない人材になってしまうのではないか、と。
その不安を払しょくするために、思い切って「外に出て修行しよう!」という意志を固め、やるからには自分の足りない面を鍛えようと考えました。それが、マーケティングや営業企画では経験できなかった「お客様に1対1で向き合い、寄り添う」こと。元々学生時代から「働く人の役に立ちたい」という思いが強かった私は、むしろそれこそが自分のやりたいことだという考えにも至りました。
ではなぜCSだったのか。前職の会社がSaaSを利用していて、私はユーザーの一人としてそのサービスのCSの方と接し、「お客様に対してこういう向き合い方をする仕事もあるんだ」ということを知ったんです。その経験もあったので、「1対1で寄り添う=CS」と結びつき、CSへの転身を決意しました。
修行とは、並々ならぬ決意ですね。なかでも『楽楽精算』のCSを選んだ理由は?
私が思い描くCS像に最も近いと感じたからです。私が転職活動を行った2021年当時、CSを組織化する企業が急増していました。しかし、立ち上げ期ということもあってか、企業によっては既存顧客向けの営業を指していたり、カスタマーサポートの役割だったりと、CSといっても様々なスタイルがありました。
一方、『楽楽精算』のCSは組織化が早く、「お客様に寄り添い、成功に導く」という私が思い描いていたCSの役割を実践していると感じました。しかも、ラクスはものすごい勢いで成長を続けている会社。そこに加わってチャレンジすれば自身の成長につながると感じたことも、入社の決め手になりました。
お客様のご要望に沿うことだけが、CSではない
では、入社後はどんな仕事をしているのですか?
フィールドセールスが契約をいただいたお客様のうち、従業員数500名までの企業に対して、『楽楽精算』の導入支援や機能拡張の提案(アップセル)を担当しています。
実際にCSに取り組んでみて、どんな実感がありますか?
2021年5月に入社し、同年10月から導入支援完了率(当初の想定どおりに『楽楽精算』を使い始められたお客様の割合)などのKPIを持ち始めたのですが、当時はスムーズに導入完了までご案内できなかったケースが多く、なかなか結果を出せなかったというのが率直なところです。
その要因をどう考えましたか?
目先の業務ばかりにとらわれてしまい、案件管理を十分にできていなかったことがあげられます。また、当時の私はお客様のご都合やご要望をすべて受け入れようとしていたため、スケジュールに遅れが生じ、結果としてお客様にご迷惑をおかけしていました。
どう改善に取り組んでいったのですか?
周りの先輩たちからアドバイスを受けたり、先輩たちがお客様に対応している様子をモニタリングしたりしながら、「CSはお客様に対してどうあるべきなのか」という根本から見つめ直すことにしました。
先輩たちを見ていると、お客様に言われるがまま対応するのではなく、時には「ご要望通りに設定すると、後々使い勝手が悪くなりますよ」と明確に伝え、「こういう設定で対処しましょう」と、代替案として最善策を指南していることがわかりました。
例えば、「従業員情報をこういう仕様でマスター登録したい」というお客様のご要望に沿うことは、『楽楽精算』では難しくありません。しかし、『楽楽精算』と他の社内システムを連携することが想定される場合には、その設定が足かせとなってデータの再加工が必要になることがあり、余計な労力がかかってしまいかねません。
そうした先々に起こり得る課題まで予見し、最適な手法をご案内すること。違う言い方をすると、導入~運用の「道」を示し、つまずきやすい部分を先回りして取り除き、整えていくこと。それがお客様のためであり、CSの役割だと、腑に落ちた感覚がありました。
そこから好転していったのですね。
すぐに変えられたわけではありません。先輩たちに相談しながら、お客様とのミーティングの進め方、コンタクトの頻度、案件管理の仕方などをあらためて一つひとつ見直し、検証と分析を重ね、PDCAを回していきました。その積み重ねによって、導入がスムーズに進み始め、お客様から嬉しいお言葉をいただく機会も少しずつ増えていったんです。
どんなお言葉が嬉しく、やりがいに感じますか?
「こんな活用方法もあるんですね」「そんな設定ができるんだ」と、私の提案から『楽楽精算』の利便性や拡張性の高さを知っていただけると、とても嬉しく思います。
ケーススタディを重ね、自分の行動に自信がついた
自分の役割や行動を見つめ直すことで、成長のきっかけを掴んだ1年目だったのですね。2年目からはKPIの指標も上向いている?
はい、数字の結果にも結びついています。
ただ、逆説的な言い方になるかもしれませんが、数字に固執していた1年目と違って、今は数字ばかりにとらわれなくなりました。お客様に貢献するための行動を取れば、結果として数字がついてくる、今はそういう考えに至っています。
それは、自分の行動に自信がついたことの表れですし、私なりの成長だと感じています。試行錯誤を重ねながら多くのお客様の導入支援を行ってきたことで、「こんなときにはこう提案する」というケーススタディが蓄えられ、柔軟な対応に活かせていることが、自信にも結びついていると考えています。
教えることでも学び、キャリアビジョンを叶えたい
2年目の今、新たにチャレンジしていることは?
メンバーの育成です。『楽楽精算』の導入社数は右肩上がりに伸び、それに伴ってCSチームの組織拡大も急ピッチで進んでいますので、2年目の私も新人教育を担当しています。
「CSとはどんな役割なのか」「お客様にどうアプローチすればいいか」「なぜそうするのか」など、私が試行錯誤してきたことを新しいメンバーに伝えるためには、わかりやすく言語化する必要があります。そのために、「どういうロジックで、何を根拠に、このお客様にこう提案したか」「その結果、どういう成果を得られたのか」と、自分の行動を振り返ることを意識的に行っているため、私自身も多くの気づきを得ることができています。
教えることが学びにもつながっているのですね。そうした貴重な経験を重ねながら、渡邉さん自身がめざす目標は?
CSとして一人前になることです。私がうまくいかない時期を乗り越えられたのは、先輩たちの助言のおかげであり、まだまだ先輩たちに及ばないと自覚しています。先輩たちのように、お客様から全幅の信頼を寄せられ、『楽楽精算』を継続してご利用いただけるように、導入支援やアップセルの質を高めていきたいと思っています。
さらにその先には、どんなキャリアビジョンを描いていますか?
私は学生時代、アルバイト先で顧客満足度を高めるための活動に加わっていました。その際に痛感したのが、「働く人が健康を保ち、満足して働くことができてこそ、パフォーマンスが上がり、お客様に満足していただける」ということです。
社会に出た今もこの時の感覚を大切に持ち続けていて、いずれは働く人の満足度=ES向上に寄与するようなサービスに携わりたいと思っています。ラクスの多彩な事業の中にそうしたサービスが生まれ、CSとして貢献できると嬉しいですね。