早く失敗できるチームが、楽楽請求のバックエンドを強くする

PROFILE

森本 厚史

楽楽請求開発3課 課長

前職では大手Webサービス会社のインフラチームに配属となり、特にObservability領域のチームに長く所属していました。最後の2年半くらいは管理職として職務にあたっていました。
2026年3月にラクスへ入社し、楽楽請求のバックエンド開発チームを担当。現在は開発3課の課長としてチーム運営を行っています。

ラクスへの入社を決めた理由を教えてください

前職では、チームで大きな成果を出すことを大事にする企業文化のもとで働いていました。しかし、会社の経営統合をきっかけに組織の雰囲気が変わっていったこともあり、新しい環境にチャレンジしたいと考え、転職活動を始めました。

そんな中、声をかけてくださったのがラクスの人事の方でした。当時はまだラクスのことをよく知らなかったのですが、調べてみると業績も社員数も伸びている、まさに上り調子の会社だと分かり、自分もその成長の中で挑戦したいという気持ちが強くなっていきました。

加えて、社員に求められる行動指針である「リーダーシッププリンシプル」や、ラクスが大切にしている考え方である「ユニークネス」にも目を通し、自分が大事にしたい価値観と重なっていると感じました。実際に面接を通じてラクスの文化に強く共感し、「ここでなら自分らしくチームで成果を出していける」と実感できたことが、入社の決め手になりました。

所属する組織の業務内容と役割を教えてください

楽楽請求は、請求書の受領から電子保存、仕訳、支払いまでを一気通貫でシステム上で完結できるプロダクトです。紙・電子問わず様々な形式の請求書をOCRで読み取ることで、人手をかけずに処理できる仕組みになっており、請求業務全体の効率化につながります。

私が課長を務める開発部 開発3課は、大阪拠点でこのプロダクトのバックエンド側の開発を担当しているチームです。メンバーは9名程度の体制です。また、東京のフロントエンド推進チームとは常に連携しながら仕事を進めているほか、インフラ・SREチームや、企画・営業・CSといったビジネスサイドのメンバーとも日常的に関わりながら業務にあたっています。

チームの日々の業務の流れを教えてください

チームではアジャイル的な要素を取り入れており、1週間単位のスプリントでチームを回しています。

毎朝の朝会で前日やったこと・当日やること・困っていることを共有し、日中は基本的に開発業務にあたります。週1回のペースで振り返りと次のスプリントの計画を立てるのが定期的なイベントです。

開発部全体では、1課・2課・3課の横断ミーティングや、東京のフロントエンドチームも交えた全体ミーティングを毎週いくつか実施しています。

リリースは2ヶ月に1回のペースで、2課・3課がローテーションを組みながら担当しており、1つの開発サイクルはおよそ3〜4ヶ月、年間で3〜4回のリリースを経験する形になっています。

チームでのAI活用方法と、業務にもたらされた変化について教えてください

コーディングについてはメンバー全員がClaude Codeを使っており、バイブコーディングも積極的に取り入れています。

最近はコードの実装だけでなく、設計書やテストケースなど自然言語で書くことが多い領域にも活用範囲を広げていて、過去のデータをもとにテストケースの抜け漏れを提案するような取り組みも進めています。

楽楽請求開発部として大きく取り組んでいるのが仕様駆動開発で、仕様書をAIに読ませてそのままコードに起こすというアプローチです。まだまだ試行錯誤の段階ではありますが、将来的には人がコードを書く比重を減らし、設計やアーキテクチャの検討に注力する、そんな開発の形を目指しています。

一方で、AIを活用するスキルやテクニックが個人に閉じてしまっている点は課題だと感じています。そのため、コーディングやテストケース作成の際に使うべき技を明文化するなど、開発プロセスの標準化にAIのスキルやツールを組み込むことで、誰が担当しても同じように再現できる状態を目指しています。

個人のやりやすいやり方を否定するのではなく、標準的なプロセスをベースにしつつ、ケースバイケースのノウハウを週次のミーティングで共有し合う運用を続けています。チーム内ではAI活用を推進する担当メンバーを立て、私自身はその活動を管理面でサポートする役割を担っています。

開発として事業にどう関わっていますか

正直なところ、顧客と直接会う機会はまだ多くありません。

楽楽請求はリリースからまだ日が浅いプロダクトということもあり、接点はまだ弱いと感じていますし、事業側からもそこを強化してほしいという声をもらっています。そこで、営業が顧客と商談している様子の動画を展開してもらったり、事業側のメンバーに来てもらって現場の声を共有してもらう機会を作ったりしています。

実際に、開発チームが認識していた背景と、顧客が本当に求めていることにギャップがあると気づかされる場面も増えてきました。

開発だけをしていると、どうしても要件として渡されたことをこなすだけになりがちです。しかし顧客目線を意識すると、設計書には載っていないけれど改善すべきポイントに気づけることがあります。開発チームだけで完結して考えると独りよがりな判断になりかねないので、顧客の要望がどこに向かっているかを把握しながらバランスを取ることを心がけています。まだ発展途上ではありますが、事業側のメンバーとの接点を増やし、学びを深める機会を少しずつ作っている段階です。

チームの雰囲気を教えてください

開発3課は私の入社に合わせて新しくできた課で、立ち上げにあたって最も大事にしたのが心理的安全性です。

キックオフの段階からその方針を伝え続けた結果、今ではどんなに些細なことでも気軽に相談できる雰囲気ができていると感じています。

私とほぼ同じ時期に入社したメンバーは、当初は誰に質問していいか分からず苦労したそうですが、数ヶ月経つ頃には格段に話しやすくなったと言ってくれました。雑談や懇親会も盛んで、お店探しなども誰かが率先して動いてくれるような、前向きな雰囲気があります。最近入った新卒メンバーとの1on1でも、質問しやすく居心地がいいという声をもらっており、新しく入ってくる人にとっても馴染みやすいチームになっていると思います。

チームで感じられるやりがいは何ですか

楽楽請求は他の楽楽シリーズと比べてまだリリースしたばかりのプロダクトで、機能をリリースすればするだけ顧客が伸びていくフェーズにあります。成長の変化を実感しやすく、自分が手がけた仕事の成果が数字として現れやすいのが大きな特徴です。ちょうどリリース直後の混乱も落ち着き、足りない機能をどんどん追加していくフェーズに入っているタイミングで、AI活用も本格化してきたことでスピード感を持ってチャレンジできる環境が整っています。組織としても機能拡充やスピードアップを推奨する方針があり、伸びしろが大きい分、1人1人の成果が全体の成果につながりやすく、大勢の中の1人という感覚よりも自分の存在感を強く感じられる環境だと思います。

こうした挑戦がしやすいのは、営業をはじめとするビジネスサイドの土台がしっかりしているからこそだとも感じています。安定した基盤と新しい挑戦、その両方を兼ね備えている点も、このチームならではのやりがいだと思います。

開発に携わる面白さとしては、仕訳や簿記といった、通常の開発業務ではあまり触れる機会のない知識に日常的に触れられる点もあります。私自身、入社時にそうした知識を学ぶ機会があり、会社のバランスシートなどが見えるようになりました。プロダクトを作ることを通じてドメイン知識が身につき、ビジネスパーソンとしてのキャリアにも活きる知識が得られる点は、大きな魅力だと感じています。

マネジメントで重視していることを教えてください

大事にしているのは心理的安全性と、実験を歓迎する姿勢の2つです。チーム発足時のキックオフでも、この2点を伝えました。

実験を重視する背景には、前職でスクラムマスターを務めていた経験があります。正解のない開発において重要なのは「早く失敗して、そこから得た学びを次に生かすサイクルを回すこと」だと考えており、致命的な問題にならない範囲であれば、メンバーが自分の判断で試してみることを歓迎しています。うまくいかなかったときはきちんと振り返ってチームに共有してもらう、それさえできていれば取り組み方は自由だと伝えています。

心理的安全性を高めるために特に意識しているのは、私自身が「分からない」と素直に言うことです。開発の現場から離れて長いこともあり、実際に分からないことも多いのですが、あえてそれを言葉にすることで、他のメンバーも質問のハードルを感じにくくなると考えています。1on1では「この時間はあなたの時間」であることを最初に伝え、話す内容は自由としたうえで、できるだけ答えを教えるのではなく、本人が自分で考えて結論を出せるよう関わり方を工夫しています。

どんな方が活躍できると思いますか

チームとして実験を掲げている以上、好奇心を持って自ら学び、学んだことを試せる人が向いていると思います。受け身の姿勢よりも、チームで動くことに前向きな人を歓迎したいです。自分の目標に定義されていない仕事であっても、気づいたら拾ってくれるような視野の広さも大切にしています。目先の評価やリターンだけを求めるのではなく、長期的な視点でチームや周囲との関係を築いていける人が活躍しやすい環境だと思います。

一方で、開発部としてはまだ顧客志向の面で弱さを感じているのも事実です。顧客理解を強く意識しながら業務にあたってきた経験がある方には、その部分を補ってもらえると心強いですし、大いに活躍できる場があると思います。

入社後の課題や、目指す組織像を教えてください

今、開発チームに強く求められているのはスピードアップであり、それをAI活用の力で実現していくことが至上命題になっています。まだ「何かあればまずAIで解決する」という発想が浸透しきっていない部分もあるので、AI活用の経験や取り組みを積んできた方に来ていただけると、そこを補強してもらえると感じています。チームとしても、そうした方が今後の中核を担っていってくれることを期待していますし、活躍の場はチームだけでなく組織全体に広がっていくと思います。

開発組織のあり方に完成形はなく、常に外からの新しい知見を取り入れてアップデートし続けたいと考えています。前職や学生時代を含め、自分たちにない経験を持つ方であれば、それ自体が大きな価値になります。何がうまくいくか分からないからこそ、良さそうだと思ったら行動に移せる人と一緒に、組織を変化させていきたいと思っています。

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