PROFILE
石田 浩章
AIエージェント開発課 課長
プライム上場のSIerにて11年間勤務し、日本国内外の拠点にてグローバル開発のPMを担当。2024年10月にラクス入社し、2025年5月からはAIエージェント開発課の管理職として参画し、企画・要件定義・設計・デザインを行っている。
ラクスに入社を決めた理由、背景等を教えてください
前職はSIerにてシステム開発に携わっていましたが、1つのプロダクトに長く関わったり、自らプロダクト開発を手がけたりする機会が少なく、自社プロダクトを持つ会社への転職を決めました。複数のBtoBクラウドサービス企業を検討した末にラクスを選んだ最大の決め手は、面接で出会った方々の人柄の良さです。また、前職で積んだグローバル開発の経験を活かせると考えたことも、決め手の一つでした。
入社後のギャップは想定の範囲内でしたが、ビジネスモデルの違いについては改めて大きく感じました。ラクスでは自社プロダクトを持ち、お客様がシステムを実際に使った際の体験価値そのものを事業にしています。作って終わりではなく、作る前の段階のプロダクトマネジメント領域から、リリース後のGo-to-Marketまで幅広く携われることに、大きなやりがいを感じています。
自組織の業務内容と役割を教えてください
私が所属しているのは、開発推進部のAIエージェント開発課です。私たちの役割は大きく2つあります。
1点目は、実際の商材においてAIエージェント機能を実装・提供すること。
2点目は、全社的にAIエージェントおよびLLMを用いたサービス開発を推進することです。
ミッションとして「楽楽精算および他サービスにおいて、AIエージェント技術を活用した売上貢献に繋がる高付加価値機能の提供を行う」を掲げています。
チーム編成もこのミッションに沿って組まれており、大きく3種類のチームで構成されています。うち2つは商材における開発チームで、楽楽精算向けと楽楽電子保存向けに、それぞれAIエージェント開発チームを置いています。
残る1つは基盤チームで、LLMを用いたワークフローやエージェント機能の評価・改善、組織横断で使える共通機能やノウハウの整備・展開を担っています。
連携が多い組織としては、まず組み込み先となる各商材の開発チームが挙げられます。それぞれのチームにはPdMがいるため、PdMとの接点も非常に多くなっています。また、楽楽精算のエージェント機能はチームの成り立ち自体が事業側と強く結びついているため、営業やCSといった事業部の方々ともつながりが強いのが特徴です。
チームの日々の業務の流れを教えてください
ミクロな単位で見ると、一般的な開発チームと大きくは変わりません。1週間のサイクルで何をするかを決めて開発を進めていく流れは同じで、週単位でスケジュールを組んでいます。一方でマクロな視点では、他の開発チームとは違う特徴があります。四半期単位で決まったリリース日に向けて何を作るかを決めるのではなく、何を作って何をリリースするかを起点にスケジュールを組むことが多く、リリースサイクル自体はあまり固定せず、完成した機能から順次リリースしていくスタイルを取っています。
ミーティングの頻度も一般的な開発チームと大きくは変わらず、週1回のスプリントミーティングに加えてデイリーミーティングを実施しており、案件単位で週1〜2回程度のミーティングが入ります。特徴的なのは、AWS社の支援を受けながら開発を進めるプログラムに参加している点です。毎週、AWS社のソリューションアーキテクトの方と一緒にミーティングを行っており、これは他のチームにはあまりない、社内でも珍しい取り組みです。
チームではAIをどのように活用していますか?開発や業務にどんな変化をもたらしていますか?
チームでは、Claude Code、Codex、GitHub Copilot agentを使い分けているほど、多様なエージェント活用が進んでおり、AIを前提とした業務フローが確立されています。コーディングや設計、ドキュメント作成まで、ほぼ全方位でAIを活用しており、簡単な指示を出すだけで実装計画からドキュメント作成までを一気通貫で行えるようになっています。私自身もAIエージェントのClaude Codeを日常的に使い、ドキュメント作成や日程調整、情報の取りまとめなど幅広く活用しています。
チームとしての活用だけでなく、他チームへの推進役を担っているのも私たちの特徴です。チームのメンバーは自らの開発業務を手がけながら、AI駆動開発の推進者として、コンテキストエンジニアリングの観点から開発プロセスの効率化を進める取り組みにも参画しています。そうした取り組みや日々の業務で得た知見は、オンラインの勉強会という形式で開発本部内に共有しています。
ただ、個人が日々さまざまなツールや使い方を学んでいくスピードが速いため、それぞれの学びをチームとして体系立てて整理していくことが今の課題です。
開発としての事業への関わり方を教えてください
私たちのチームは成り立ち自体が特殊で、楽楽精算の事業部長がすぐ隣の席にいるなど、事業側との連携が非常に強いチームです。AIエージェント機能が正式版としてリリースされてからは、営業戦略や実際のお客様の声を日常的にダイレクトに受け取っています。「こういう機能があれば契約できる」「こういう機能があれば提案しやすい」といった声が、間に何かを介することなく営業やCSから直接届き、事業部長がすぐそばにいることで意思決定のスピードを早めながら開発を進められています。
チームの雰囲気を教えてください
チームの良さの一つは、情報キャッチアップに対する意識の高さです。AIに限らずさまざまな分野に関心が強く、日常的に勉強する文化があります。特徴的な例として、メンバーの1人が日々出てくる技術書をリストアップし、「この本を買いたい」と自発的に声を上げ、チームで同じ本を購入して複数人で読み、感想を話し合うといった取り組みも行われています。
心理的安全性については、チームが発足から約1年で、まだまだ少人数から始めていたこともあって比較的高いと感じています。今後メンバーが増えていく中でも、経験者と新規参画者がスムーズにキャッチアップできる体制を作っていきたいと考えています。また、取り組んでいること自体はベンチャーライクで新しい領域が多い一方、実際のサービスとしては楽楽精算の看板を背負っているため、技術的な設計は慎重に、しっかり考えて進めていくチームです。
雑談も多く、特に最近はAIモデルのバージョンや性能について話題になることが多いです。エンジニアとしての興味関心がそのまま雑談の話題になりやすいのも、このチームらしいところだと感じています。
チームでは、どんなやりがいを感じられますか?
AIエージェント・LLMという分野を扱い、それを実際のサービスに組み込んでいることから、大きく2つのやりがいを感じられるチームだと思います。
1点目は、まだ世の中一般でも技術が確立しきっていない最先端のLLM分野において、時にはOSSを活用し、時には自ら開発を行いながら、自分たちの作りたいものを実現させていく喜びです。
2点目は、作ったものがすぐにお客様に提供される、あるいは提供されることを前提に開発を進めていく難しさです。さまざまな制約条件がある中で、お客様に喜んでいただけるものをエンジニアとして試行錯誤しながら形にしていく過程は、非常に大きな成長につながります。
マネジメントにおいて重視されていることはありますか?
マネジメントで意識しているのは、メンバー自身がしっかりと自分で考えて動けるようにすることと、柔軟性を持つことです。個人のエンジニアがやりたいと思っていること、こうあるべきだと考えていることをまずしっかり聞いて、一旦吸い上げるスタンスを大切にしています。こうした姿勢は、ラクスの全社員が体現すべき行動指針であるラクスリーダーシッププリンシプルの「小さく試して大きく育てる」「失敗を許容する」という考え方にも通じるものです。
1on1は、毎週「10分間面談」という独自のやり方で、各人と密にコミュニケーションを取っています。「評価」という言葉がつくとどうしても堅苦しくネガティブな印象を与えてしまうため、形式的な進め方はあえてしていません。雑談の延長線上で、各人が話したいことに合わせて、「目標」「キャリア」「評価」など柔軟にテーマを変えながら実施するようにしています。
また、顧客志向も大きなテーマとして意識しています。私たちのチームは比較的お客様に近いポジションにいるため、営業から得た一次情報や販売の動向をメンバーにも積極的に伝えるようにしています。チームの人数が増えていく中でも、私自身が見聞きしたお客様の反応は、できる限り積極的にメンバーへ共有するようにしています。
活躍できる方の人物像を教えてください
活躍できる方の特徴には、大きく2つの切り口があると考えています。
1点目は、私たちが手がけるAIエージェント開発そのものについてです。「AI」という言葉がつくと誤解されがちですが、軸となる部分は既存のアプリケーション開発と変わりません。利用者が何らかのシステムを操作して期待する結果を得るという点ではウェブアプリケーションと同様で、しっかりと自分で考えて動ける方、そして楽楽精算のようなクラウドサービスの開発経験がある方が活躍できると考えています。具体的には、チームの規模感や対象によって変わる開発プロセスを理解し、アプリケーションや会社のルールをきちんと理解した上で、それを守りながら進められる方が向いていると思います。
2点目は、私たちのチームが持つ、新しい技術を横断的に会社へ届けるという役割の観点です。この観点からは、学んだことを自分の言葉で言語化し、相手に伝えられる能力が高い方が活躍できます。単に自分が学んだことをそのまま話すのではなく、相手が抱えている課題やLLMへの理解度に応じて、伝え方を調整したり具体例を示したりできる表現力のある方が求められます。
なお、面接では技術力や開発経験を重視しています。特にAIエージェントの経験を持つ方が増えているため、作ったプロダクトの質にまで踏み込んでお話を伺うようにしています。例えばRAGを組み込んだチャットボットの開発経験であれば、その仕組みやロジック、リランクの実装まで具体的にお聞きすることもあります。
また、自分が何を考え、何を意思決定したのかを言語化できるかどうかも大切にしています。AIに自分の判断基準を的確に引き渡せることは、AIを使いこなす上でも欠かせない能力だと考えているためです。
入社された方と取り組みたい課題、またチームで目指す組織像を教えてください
チームの役割である2つの観点に沿ってお話しします。
1点目は、楽楽精算や楽楽電子保存といった商材でのAIエージェント機能の開発です。新しい技術であるため、他社の事例をそのまま模倣すればよいという世界ではなく、これらのサービスとのシナジーを意識しながら、しっかりと設計・企画を行った上で実装していきたいと考えています。
2点目は、ラクスとしてのLLMOps基盤の開発と提供です。
また、これから入社される方と一緒に取り組みたいこととして、「共創」のプロセスを大切にしたいと考えています。私たちのチームでは、実際の商材で得た知見をノウハウとして体系化し、社内に共有することで、それを必要とする他のチームと一緒に開発を進める流れを作っています。アプリケーション開発のようにスピーディーに手を動かすタイプの仕事だけでなく、じっくりと技術を深めていく研究に近いプロセスに関心がある方にも活躍できる場です。そうした共創の輪を今後さらに広げていきたいと考えています。



















































































































































