PROFILE
村上 祐亮
Web制作ベンチャーで営業やインストラクターとして活躍し、2017年5月にラクスへ入社。「楽楽精算」、「楽楽明細」の営業担当を経て、2023年4月から福岡の「楽楽明細」営業マネージャーに就任。2024年4月から「楽楽販売」営業マネージャーを兼務している。
九州全域のシェア拡大へ、ドライブをかけるタイミング
福岡営業所は2014年7月、東名阪に次いで設立。その背景から振り返ってください。
福岡は九州の中核都市であり、多くの企業が事業を営んでいます。しかし、設立当時の福岡では、バックオフィス業務にSaaSのクラウドサービスを活用している企業は少数派。九州全域に目を向けても、ラクスがタッチできていないマーケットが大きく広がっている状況でした。
そこで、九州の地場企業への支援強化をめざし、その拠点として福岡営業所が開設されました。
私が福岡営業所に加わった2017年当時も、同様の印象でした。ラクスはSaaS大手といわれ始めていましたが、福岡における認知度は低く、商談先で「ラクス?何?誰?」という反応もあったくらいです。しかし、今では広域エリアでは一番大きい規模の支社まで成長しました。
認知がないところから何か風向きが変わり始めたきっかけがあったんですか?
地方銀行(地銀)との連携を始めたことが大きなターニングポイントとなりました。
福岡では2020年に地元カード会社との協業を始め、顧客に対してカード会社はコーポレートカードによるキャッシュレス化を、ラクスは経理業務のデジタル化を提案するという取り組みを行いました。
両者は親和性が高く、協業による課題解決提案を行うことによって、顧客へより大きな価値を提供することに成功しました。その狙いと実績が認められ、2021年4月には、カード会社が属するフィナンシャルグループの中核である地銀との連携へとスケールアップしたのです。
それ以降、社内では「地銀連携プロジェクト」と称し、地場企業の経営を支援する地銀の行員の方々と一緒に顧客を訪問し、地元企業のデジタル化やDXにおける課題解決に力を注ぎました。
行員の方々を通して地元企業からの信頼が深まったと。
はい、ようやく地元企業に受け入れていただき始め、視界が開けた感覚でした。
「何?誰?」だった状況も、「○○銀行さんのパートナーなら間違いないね」と言っていただけるくらいに変容し、連携前後の2020年度と2021年度を比べると、成約件数は約10倍へ跳ね上がりました。
現在に目を転じても、マーケット開拓が順調に進んでいますか?
確かに福岡においては順調に来ていますが、まだまだ十分ではなく、さらなるシェア拡大をめざしています。九州全域を見渡すと、福岡県外においてはいまだデジタル化の普及が行き届かず、マーケットの大半を「白地」が占めているため、そこへのアプローチにいっそうドライブをかける必要があるととらえています。
そうした課題に対して、どのような施策を行っていますか?
九州全域についていいますと、地銀をはじめとする地元パートナーとの協業拡大です。福岡を中心に地銀との連携によって得た事例・ノウハウをもとに、福岡県外においても地元密着のパートナーと協業し、デジタル化・DXの必要性を地道にコツコツと啓蒙していくことが一つです。
加えて、福岡を中心に売上・シェア拡大に向けて重点的に取り組んでいるのが、複数サービスのご提案です。楽楽シリーズの多彩なサービス群を駆使し、さまざまな課題の解決をめざしています。

再現性のあるしくみをつくり、サービスを超えて共有
複数サービスのご提案はどのように実践していますか?
事例を分析することで、ヒアリングや提案の進め方に再現性の高いスキーム=型をつくり、その実施状況や効果をKPIによって顕在化し、PDCAを回すことでブラッシュアップしています。
大まかなフローは、福岡営業所では現在、おもに精算、明細、販売、勤怠、請求の5サービスを取り扱っており、まず地元代理店へのフォローを務める代理店担当が、これらの商材全般に関する問い合わせ・商談依頼に対応し、その内容に応じて各サービスの営業チーム・担当へ振り分けます。
そして商談依頼=トスアップを受け取った営業担当が、型をもとに担当領域以外についても課題解決を提案し、各サービスの営業担当と連携してご提案につなげています。
まずは地元代理店の方々と顧客訪問を地道に重ね、信頼を築く。そして、ラクスが得意とする再現性のあるしくみづくりを生かし、ご提案を広げていくのですね。
先にお伝えしたように、福岡営業所はラクスの広域戦略において先発組であり、地元パートナーとの協業による信頼関係づくりや提案の進め方に事例とノウハウを積み上げてきました。
複数サービス提案のプロジェクトにおいては、そうした先行事例・ノウハウを効果的に活用しながら、いずれの商材チームにおいても隔てなく推進できるよう、営業所全体で再現性のあるしくみとして共有化を図っています。
もちろん、そのベースとなるのは地元の顧客企業やパートナー企業と培った信頼関係であり、社内外におけるコミュニケーションの大切さはこれからも変わりません。
広域営業のモデルとなり、全国へノウハウを展開する
福岡営業所の事例・ノウハウは、他エリアからも求められていますね。
はい、都市部以外の広域エリアについて、福岡営業所は先陣を切ってマーケットの開拓に乗り出しました。その立ち上げフェーズにおける成功事例として、すでに「地銀連携プロジェクト」の施策については他エリアも実践できるように再現性のあるかたちにとりまとめて展開しています。
これからも新たな事例がつくられていく?
そのとおりです。現在の福岡営業所は立ち上げフェーズを抜け、より多くの九州の地場企業への支援強化のために組織拡大のフェーズにあります。先にお伝えしたように、九州全域におけるシェア拡大や複数サービス提案のしくみ化・組織化を推進しているタイミングでもあります。
こうした新たなフェーズや施策についても、ラクスにおいて最前線を走っていくのが福岡営業所だと自負しています。先行事例をつくるやりがい・面白さにあふれていますね。
では、福岡営業所のめざす姿は?
ずばり、広域営業のモデルになることです。
福岡営業所が先頭に立って広域エリア戦略の展開・拡大に挑み、PDCAを回し、再現性を高め、全国の広域エリアへ広げていきたいと意気込んでいます。私はこれを「広域×営業」を科学することだととらえ、日々向き合い続けています。
例えば、広域エリアの企業の傾向として、「デジタル化は気になるけど、何からどうすればいいのだろう」と、もやもやと課題を感じつつも、そのままにされている状況がよく見られます。
そうした企業に対して、どのようにお話をすすめれば顧客課題を顕在化し、高い精度で解決へのお手伝いができるか。私たち福岡営業所にはその事例・ノウハウがあり、これを言語化・仕組化し、他エリアへ展開できれば、福岡発で日本全国の企業を支援するというダイナミックな広がりを描くことも可能だと思っています。
そのために必要なことは?
広域エリアにはどんな商習慣やビジネスの傾向があり、地元企業にはどんな課題・ニーズがあるのか、どう寄り添えばいいのかと、顧客理解をいっそう深めることが重要だと肝に銘じています。
あわせて、最前線を走る営業所として、成長とチャレンジへの意識を強く持ち、スピード感をもって取り組むように意識しています。

未踏の課題に挑み、答えを探求し続けたい
新しく加わる仲間にとっても、やりがいが大きく、キャリアのチャンスが広がりそうですね。
はい。地元企業の課題解決に貢献でき、それが先行事例となって全国へ展開されるチャンスもある。そう聞くだけでワクワクする方にぜひ来ていただきたいと思っています。
「地元に貢献したい」「成長とチャレンジを楽しみたい」「再現性を高めるしくみづくりを行いたい」という思いをお持ちなら、ラクスの福岡営業所は最適なフィールドになるはずです。
キャリアの面でも、今後組織拡大を続けていくため、新しいチームや部門が生まれ、それぞれのチームが課から部へ昇格する可能性があります。
その成長過程で得られるスキル・経験は貴重なものとなり、リーダー・マネージャーへキャリアを高めるチャンスも広がります。
村上さんなりのやりがいやモチベーションについても、最後にお聞かせください。
答えのないことに答えを見つけ出すこと。これが私にとってのモチベーションです。
実は私は学生時代、大学院で数学に没頭しました。まさに数学は、答えのない問題に向き合い、論理的に答えを導き出す学問。
福岡営業所で広域営業にチャレンジする日々も、まだ答えのない課題に挑み、再現性のある答えを導き出そうとしています。前例がないからこそ、おもしろく、探求心が尽きないです。
※所属・役職はインタビュー時点(2025年2月)のものです。