PMMの専門職コースを選択。専門職第1号としてロールモデルになる

PROFILE

権平 みずえ

SIerにエンジニアとして入社後、自社サービスの広報・マーケティング部門に異動し、マーケティング領域に着手する。それ以降、複数社にて新規事業立ち上げやサービスの企画・開発を経験。2020年1月にラクスに入社し、『楽楽精算』のPMMを務める。2024年から戦略部門として初のSP職務(専門職)へ進み、高度な専門性を発揮している。

MBOが徹底され、成長へのサポートがきめ細やか

権平さんはエンジニア出身なのですね。

そうです。新卒で入社したSIerにてシステムの設計・開発を5年ほど経験した頃、何となく自分の中にキャリアの次のフェーズを考える節目が訪れたんです。そのときに考えたのは、このままエンジニアを続けるよりも、エンジニアとしての経験をベースに何か新しく挑戦したいということでした。

ちょうどタイミングよく、自社サービスのマーケティング担当の社内公募が出たので、いい機会だと感じて応募。希望が叶い、マーケティング領域で新しい挑戦に乗り出したことが、今につながっています。

その後、複数社でBtoBのマーケティングを経験後、ラクスへ。なぜラクスだったのですか?

当時、私のようにエンジニア経験を持つマーケターは割とレアな存在だったこともあって、複数社でキャリアを重ねることで、独自性の強いポジションをある程度確立できたという手応えがありました。この強みを活かし、さらにマーケティング経験を積み上げ、専門性を深めていこうと考えていました。

そうした折、気になっていたのがラクスでした。実は前職時代、私はラクスの『メールディーラー』を自社に導入し、その際にラクスの営業やカスタマーサクセスの人たちとユーザーとして接する機会がありました。ラクスの人たちは非常にまじめで一生懸命で、かつ組織的に顧客支援に動いていることに感銘を受けました。

ラクスに好印象を抱き、縁あって選考に進むうちに、ワークライフバランスの取りやすさや一緒に働く人たちとの相性のよさ、これまでの経験をもとに新たな成長をめざせることなどに惹かれ、入社を決めました。

ラクスに入社してみての印象はどうでしたか?

入社前に感じていたとおり、組織的に動き、合理的で真面目な人が多いという印象です。その面にギャップはなかったのですが、いい意味で驚いたのはMBO(目標管理制度)が徹底されていることでした。

私は複数社を経験してきましたが、これほど仕組みとして機能し、一人ひとりへのフィードバックが徹底されている企業はありませんでした。

上司との毎月の1on1で目標に対する進捗について振り返り、上司からフィードバックを受けます。時にはカチンと来ることを言われることもありますが(笑)、上司は言いっぱなしではなく、「気になることがあれば遠慮なく言って」と、話を聞く姿勢を示してくれています。

型通りにこうすべきという関わり方ではなく、一人ひとりに合わせて成長を促してくれる仕組みがあり、なおかつ自分の課題や目標について率直に話しあえる上司に恵まれたことは、ラクスを選んでよかったと思う大きなポイントです。

『楽楽精算』が第一想起される世界をつくりたい

現在は『楽楽精算』のPMMとして、どのような課題に挑んでいるのですか?

『楽楽精算』では現在、アーリーマジョリティ層への浸透を図っていて、私はそのためのプロダクト戦略を示した製品ロードマップの運用管理を行っています。

具体的には、『楽楽精算』のプロダクトビジョンを設定し、ビジョンを体言するにはどのような基準でお客様の課題を解決していくのかという選定ポリシーや評価指標の策定、ビジョンを対外的に伝えるコミュニケーションの設定などを行っています。

また、こうした戦略について、『楽楽精算』は楽楽シリーズの中で先行しているプロダクトなので、効果が認められた施策については他プロダクトへも展開できるよう、成功事例として取りまとめを行っていきます 。

『楽楽精算』には競合サービスが多く、競合差別化という面でもPMMの果たす役割は大きいように思います。

そうですね。『楽楽精算』はユーザー視点に立った機能拡充をたゆまず続け、経費精算システム市場において導入社数シェア1位を獲得してきました。

その一方で、数々の競合がひしめく現マーケットでは、機能による差別化は難しい状況にあり、今後もその傾向がますます強まると見ています。

そうした環境をふまえ、『楽楽精算』では、プロダクトにおいてもブランドを体現し、ブランド・アイデンティティの実現に貢献すること、それによって競合との区別化を図る仕組みづくりを推進しています。
具体的には、ブランド・アイデンティティに紐づくプロダクトビジョンが提供する価値の明文化、それらをどのように顧客に伝えるかのメッセージ作り、またブランド体現できていることを確認する効果測定が挙げられます。

競合区別化によって目指しているのは?

わかりやすくBtoCに例えると、洋服を買う際に「○○を買いに行く」、ハンバーガーを食べたいときに「○○を食べたい」というように、ジャンルそのものを体現し、真っ先に頭に思い浮かぶブランドがありますよね。同じように、『楽楽精算』というブランドが経費精算システムを体現し、第一想起されるような世界をつくろうとしています。

専門職としてスペシャリティを発揮し、育成にも尽力

入社5年目から専門職コースのSP職を選択されました。戦略部門のSP職は権平さんが第1号。その経緯を教えてください。

PMM(プロダクトマーケティングマネージャー)として専門性を高めていきたいという思いが元々強かったので、SP職コースがキャリアの選択肢に加わったことを機に、名乗りを挙げました。ユニークであることに価値を感じるので(笑)、私がラクスの戦略系SP職のロールモデルになれることにも惹かれて決意しました。

PMMのSP職が果たす役割について教えてください。

例えばマーケティングの遂行スキルについては、市場調査や競合分析、STP分析、バリュープロポジションキャンパスといった手法を高度な専門性をもって実行し、課内・部内に落とし込むことが求められます。

プロダクト開発については、開発側の窓口となるPdM(プロダクトマネージャー)との役割分担を明確にし、例えば機能開発ごとに必要な情報を取りまとめるための型やフローを作成し、課内・部内のインフラとして使えるように整備するといったことを行います。

課内・部内のPMMがPMMとして機能するための仕組みづくりにも、SP職としてスペシャリティを発揮するということです。

SP職を選択したことで、自身に何か変化はありますか?

自らのスペシャリティをもってメンバーの育成にあたることも、SP職の重要な役割の一つであり、育成への意識がより強くなったと感じています。

現在、PMMの業務を遂行するにあたって必要なスキルとレベルを定義したスキルマップをもとに、メンバーそれぞれの状況を見ながら何をどう高めていけばいいのかを考え、スキルアップをサポートしています。

その過程でメンバーの成長を感じられると、自分がスキルアップするよりもはるかに嬉しいですし、メンバーの成長が今の何よりのやりがいになっています。

あるべき姿や理想を自ら描き、一つずつ課題をクリアする

今後の目標を教えてください。

私がこれまでPMMとしてインプットしてきた知見・ノウハウを広く活用してもらえるよう、社内外を問わずアウトプットしていきたいと思っています。

社内について言えば、人材育成にいっそう尽力していきます。PMMにはさまざまなバックボーンを持つ仲間が集まっているので、それぞれの経験や長所を生かしながら、PMMとして足りない面を補うようなサポートをしたいと思っています。

これからも多様なバックボーンを持った仲間を歓迎されますか?

大歓迎ですよ。そのなかでもPMMとして大切な素質を挙げるとすると、To-Be、つまりプロダクトのあるべき姿や理想を描けるかどうかです。

「こういう世界になればいいよね」という理想を描き、そのうえで、それをどう実現するか、プロセスや仕組みを分解して考えることが大切になります。これは企画職であるPMMの根本となる部分であり、最も楽しい部分でもあると思っています。

To-Beを描くだけでなく、めざす過程にPMMの本領があるのですね。

PMMが取り組む課題は抽象度が高く、さまざまな利害関係者と協議しながら具体化し、解決することが求められます。To-Beへ至る道のりにはいくつものクリアすべき課題があるわけですから、マイルストーンをいくつも配置し、一つずつクリアしていくというイメージです。

ラクスのリーダーシッププリンシプルで言うと、「小さく試して大きく育てる」。
一つずつ試し、一歩ずつ進んでいった先に、理想の実現が待っているのだと思っています。

※所属・役職はインタビュー時点(2024年8月)のものです。

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