PROFILE
柴田和幸
楽楽クラウド事業本部 マーケティング統括部 マーケティング1部 エンタープライズマーケティング課 課長
IT業界最大手のグローバル企業でSEとエンタープライズ向けマーケティングを経験。その後、法人向けサービスでBtoBマーケティング全般を担当。1人で広範囲を担う体制にやりがいを感じつつも、「もっと大きな組織で、チームとして大きな顧客価値を生むマーケティングに挑戦したい」と考え、2025年7月にラクスへ入社。10月よりエンタープライズマーケティング課の立ち上げを担っている。
エンタープライズの顧客課題に向き合うため、専門チームが発足
2025年10月に編成されたエンタープライズマーケティング課とはどんな組織ですか?
ラクスでは、エンタープライズ領域を従業員1,000名以上の企業規模と位置づけています。
エンタープライズマーケティング課は、その大手企業のお客さまを対象とするマーケティング組織として、2025年10月に立ち上がりました。
これまでラクスは、中小〜中堅企業のお客さまの業務改善を支援する中で、営業(インサイドセールス、以下IS)(フィールドセールス、以下FS)・マーケティング(以下MK)・カスタマーサクセス(以下CS)を通じた膨大なデータとノウハウを蓄積してきました。
これまで培った蓄積を土台として、今後は企業規模の大きなお客さまに対しても、より大きな価値を届けられると考えています。
現在は「楽楽精算」を中心に、営業部門と連携し、大規模な組織ならではの複雑な意思決定プロセスに寄り添ったアプローチの設計を進めています。
中堅・中小企業向けのマーケティングとは、どんな違いがあるのでしょうか?
経理・管理部門の担当者や経営者など、関わる部門や人数が小規模なケースが多く、広告や展示会を通じて広くリーチするリードベースドマーケティング(LBM)が有効に機能してきました。
一方で企業規模が大きくなるほど、関わる部門やステークホルダーが多く、決裁プロセスも複層的になります。
そのため、「どの情報を、どのタイミングで、誰に届けるか」を個社ごとに丁寧に設計することが重要で、アカウントベースドマーケティング(ABM:特定企業ごとに最適化した情報提供を行う手法)が効果を発揮します。
従業員1,000名以上の企業は全国に約4,800社あり、その規模特有の課題や複雑な意思決定構造があります。
すべてのお客さまに同じアプローチをするのではなく、これまでのご相談内容や利用実績、CSの知見をもとに業界ごとの傾向を整理し、課題感や利用状況の傾向から、特に支援ニーズの大きい約250社を中心に、営業と連携しながら取り組みを進めています。
企業ごとに課題の背景や関わる部門が異なるからこそ、「どんなテーマがお客さまのお役に立てるか」「次にどんな情報をご案内するのが適切か」
といった観点で、一社ごとに寄り添ったコミュニケーションを整えている段階です。
そしてこの取り組みは、まだ始まったばかり。
成功事例そのものを、これから一緒につくっていくフェーズにあります。

各専門チームと連携し、「お客さまに届く価値」を一体となって形づくる
営業とマーケティングの連携について、もう少し詳しく教えてください。
エンタープライズのお客さま向けに開催したセミナーでは、業務システムの運用課題をテーマにしたことで多くの反響をいただきました。
当日は営業も参加し、懇親会ではセミナー内容をきっかけに自然な相談や新たな提案につながる場面も生まれました。
連動するのは営業だけでなく、セミナーの実施にあたってはその専門部隊であるエクスペリエンスマーケティング課ともノウハウを共有。事業部を横断した情報共有や調整も進めています。
他チームとの連携が多いと伺いました。
はい、まさに今動き出しているところです。MK・IS・FS・CSが部署を横断してプロジェクトチームを組織し、それぞれの知見・専門性を結集してお客さまの声の収集・分析、業界・業種ごとの施策検討などを進めています。
例えば資料一つとっても「このような形の方が伝わりやすそう」「ここもっと簡潔に」など営業・MKのメンバー間で垣根なく行われています。
また、エンタープライズ向けの取り組みを他のサービスにも展開していくため、展示会運営やブランド発信を専門とするチームとも密に連携しています。
最近では、展示会でエンタープライズのお客さまにより適切に対応するため、来場者の目的やご関心をどのように把握するか、適切な担当者へご案内するためのオペレーションを、チームのメンバーが中心となって検討しました。
従来の“商材ごとに分かれて対応する”形式に加え、大規模なお客さまに対しても組織構造に合わせて一貫した情報提供を行えるよう体制を見直す取り組みです。

立ち上げ期ならではの裁量とスピード感を楽しめる環境
立ち上げフェーズならではの難しさもありますか?
もちろん難しさはあります。
ただ、それ以上に 「決まった型がない中で、最適なやり方を自分たちでつくっていく面白さ」 が大きいですね。
こうすればいいという「型」があるのではなく、お客さまごとに何が必要なのか、どうアプローチしていくのか、全てを自分たちで決めていく必要があります。
そこには難しさが伴いますが、マーケターとしては非常に挑みがいがあり、腕が鳴るともいえます。
チームは私を含めて現在4名。少人数チームということもあって、「こうしてみよう」というアイデアを言いやすく、試しやすい環境です。
チームとしてやれることは全部やってみるという勢いで、仮説・試行・検証を積み上げ、切り拓いていこうと意気込んでいるところです。
立ち上げ期ならではのスピード感がある一方で、裁量の大きさについてはどのように感じていますか?
ラクスにとってエンタープライズの開拓は、有力な成長戦略の一つです。
会社として強固な財務基盤があることから、エンタープライズマーケティングに費やすバジェットも潤沢に用意されています。
さらにラクスには、各サービスでシェア獲得を果たしてきた実績とノウハウがあり、豊富なリソースを自由に参照・活用しながら施策を立案・実行できます。
エンタープライズという新たな領域に対して、これまで培った実績・ノウハウを活かしつつ、立ち上げフェーズで自分たちとしてどのような形が最適かを模索しながら作り上げていけるのは大きな魅力です。
自分たちで判断しながら挑戦できる環境が、裁量の大きさにつながっています。

「自走」と「チームプレー」を両立できるメンバーたち
チームのメンバーについて教えてください。
エンタープライズマーケティング課のメンバーは、自分で課題を捉え、必要な情報を集めながら主体的に動ける人が多いです。私が設定した課題やテーマに対しても、関連部署と連携して情報を集め、議論を重ねながら前へ進めてくれており、とても頼もしく感じています。
さらに、アウトプットだけでなく効果検証までしっかりやり切ることも、入社して驚いた点です。
これは自チームに限った話ではなく、ラクスには、考えを論理的に言語化し、率直に伝え合う文化があります。そのため、企画がお客さまにどう映るのか、資料が現場で使いやすいのかといった視点で意見が自然と交わされています。
新しく入られる方も、この環境の中で自然と考え方や動き方を身につけていただけると思います。
そうしたメンバーと働く日々は、新しく加わるメンバーにとっても有意義になると思います。改めて、どんな方を仲間にお迎えしたいですか?
先ほどお伝えしたように、新しい試みにどんどん挑んでいる真っただ中にあるため、チャレンジ精神にあふれ、周囲を巻き込みながら推進できる方。そして、前に進むだけでなく、失敗を素直に認め、周囲のアドバイスを受け入れ、学ぶ姿勢をお持ちの方と一緒に働きたいですね。
私が候補者の皆さんと面接させていただく際にも、これまでの「できたこと」と「できなかったこと」の両方を伺い、できなかったことから何を学び、どう生かしているのかを掘り下げてお聞きするようにしています。
さらに言えば、現在のチームに刺激を与えてくれる方にもぜひ来ていただきたいです。
ラクスには、データをふまえて試算を重ねたうえで丁寧に進める文化があり、一つひとつの精度が高いのが特長です。その反面、よりスピードを高められる余地もあり、そこに新しいメンバーが加わることで良い相乗効果が生まれると感じています。
「あのチームで働きたい」と言われる組織へ
エンタープライズマーケティング課として、今後どんな組織を目指していますか?
少人数のチームですが、エンタープライズという大きなマーケットに挑んでいるからこそ、マーケティングによって巻き起こすビジネスインパクトを生み出せます。
その立ち上げ期から参画できるのは、マーケターとしてやりがいが非常に大きいと思っています。
成果に結びつけばいっそう面白さに拍車がかかってくるはずです。その面白さを組織全体で味わい、他部署の皆さんからも「あのチームに行きたい」と思ってもらえるような部署にしたいというのが私の思いです。
最後に、今このタイミングでラクスのエンタープライズマーケティングに加わる魅力について教えてください。
エンタープライズを対象としたさまざまなマーケティング手法に取り組めますので、マーケターとして幅広いスキルを身につけることができます。
あわせて、メンバーそれぞれが担当業種を持ち、業種・企業特性について深く掘り下げていきますので、専門性の面でも大きく成長できる環境です。
SaaSのトップランナーであるラクスで、未開拓のマーケットを切り拓く経験は、マーケターとして強力な強みになります。社内外にかかわらず、キャリアを伸ばすうえで大きなアドバンテージになるはずです。
ラクス自体も新しいサービスや組織が次々に立ち上がっており、安定した基盤の上で新しい挑戦に踏み出せる、いまが特におもしろいタイミングだと感じています。
この大きな市場に挑む面白さを分かち合いながら、共に新しい成功事例をつくっていける仲間と出会えるのが、今からとても楽しみです。
※所属・役職はインタビュー時点(2025年11月)のものです。




















































































































































