PROFILE
梶原 祥子
大学卒業後、営業職としてパッケージソフトメーカーに入社。会計・給与・販売管理といった基幹システムの代理店営業に約3年半従事した後、2017年9月に『楽楽明細』の営業としてラクスに転職。『楽楽明細』のダイレクトセールスを担当しながらリファラル施策を立ち上げ、現在はチームリーダーを担う。
目標達成のための打開策としてリファラルに着目
約2年前(2020年11月)に行ったインタビューでは、梶原さんが単独で取り組み始めた「リファラル施策」について、大きく育ててチーム化していきたいという目標が語られています。その言葉のとおり、2021年に早くもリファラルチームが発足し、チームリーダーとして高い成果を上げた取り組みが全社表彰。現在の梶原さんは新たなチャレンジに邁進していますね。
今回はその過程について伺っていこうと思いますが、まずリファラル施策とはどういう取り組みなのか、あらためて教えてください。
『楽楽明細』をすでに導入いただいているお客様から、他部署やグループ企業、取引先企業などをご紹介いただき、新たな受注につなげる取り組みです。
導入済みのお客様に対して、『楽楽明細』の追加機能やオプションの提案(アップセル)をメルマガ配信や電話で行い、それをきっかけにしてご紹介の獲得につなげています。
そもそも梶原さんがリファラルに取り組み始めた経緯は?
始めたのは、ラクスに入社して3年目の2020年です。
『楽楽明細』のダイレクトセールスを担当していた当時の私は、教育担当も兼務していました。その時、メンバーに対する教育施策に大きく稼働を割く分、営業として割り振られる新規の担当案件が少なくなっていったんです。
担当案件を増やせず、思うように自分の営業成果をあげられない。でも目標達成にはこだわりたい。そうした状況を打開するために可能性を見いだしたのが、自分で担当案件を増やせるリファラル施策でした。
そのヒントが、他事業部の『楽楽精算』にあったのですね。
そうです。『楽楽精算』の営業部に所属する同僚から、「リファラル施策がうまくいっているよ」という話を聞いたんです。
これまでの営業活動を通して、私にいろいろ相談をしてくださる受注済みのお客様が増えていたので、そうしたお客様に改めてアプローチし、他部署やグループ企業をご紹介していただければ、新たなニーズを掘り起こせるのではないか、と考えたんです。
当初はいけると感じたと同時に、壁にも直面した
取り組み始めた当初の手応えはどうでしたか?
お客様からは「他部署も導入したいと言っているよ」といった嬉しい反応をいただくことが多く、また上長も「伸ばしていけそうだね」と言ってくれて、早々に手応えを感じました。
その要因は何だったのでしょうか。
『楽楽明細』はおかげさまで顧客満足度がとても高く、お客様が「使いやすいから」と、主に同じ会社の他部署に薦めていただきやすかったことが大きいです。
では、はじめから順調だったのでしょうか?
いえ、そうとも言えない面もあります。
導入が完了しているお客様に対して、「こういう手順で進めればアップセル⇒紹介⇒新規受注に結びつく」という“再現性のある型”がつくりにくく、当時も今も、試行錯誤を繰り返しています。
例えば、導入が完了したお客様に運用上のお悩みや追加ニーズがあれば、それをきっかけにスムーズに接点を持てます。しかし、『楽楽明細』はシンプルな設計で使いやすいため、お悩みも少なく、機能追加やオプションなどに対するニーズ喚起に工夫が必要となりました。
成果を出せるポイントもあれば、難しいポイントもあったと。
そうですね。いけると感じたと同時に、壁にも直面したという感覚です。先ほどお伝えしたように、お客様の他部署への展開はうまく進みましたが、グループ企業のご紹介について切り出すと、「関係性が薄いから難しい」といった理由からお断りされるケースも目立ちました。
そうした壁に対して、どう向き合ってきたのでしょうか。
やはり顧客目線の課題解決を通じた関係構築です。前回のインタビューでも触れましたが、『楽楽明細』の顧客満足度が高いのは、セールスの私たちが常に顧客目線を持ち、お客様の課題解決のお力になる提案をしているからだと自負しています。そうした顧客目線による関係性が、リファラルにおいてはいっそう重要になります。
”再現性のある型”は模索中ではあるものの、電子帳簿保存法の改正など、その時々のお客様の潜在・顕在ニーズを明確化した上でアプローチし、実績をつくることができました。
リファラルチームの発足と新しい挑戦
試行錯誤しながらも梶原さん単独で成果を出し、2021年下期からはリファラルチームが発足。チーム化という目標の一つが実現されました。
順調に成果をあげることができていたため、メンバー1名を採用してもらい、リーダーの私と2名でスタートしました。こんなに早くチーム化されるなんて──と、ラクスらしいスピード感に驚きました。
これまでもチームリーダーなどの経験はありましたか?
いえ、私はこれまでリーダー経験もあまりなく、基本的には自分で考えて自分で動いてきたタイプでした。そのため、私にとってはまた新しい挑戦です。
チームで成果を出すためにどのような取り組みを行いましたか?
チーム化当初は、仕事の割り振りがうまくいかず、メンバーの稼働をうまく配分できていない状況でした。そこで、アップセル担当と新規受注担当に分けて稼働するように見直しました。その結果、効率的に運用できるようになり、6月からは新たに1名の仲間を加え、3名チームで施策を推し進めることができています。
担当を分けることで、施策も打ちやすくなったのでは?
そう思います。導入済みのお客様へ追加機能やオプションなどを提案するアップセルでは、メールマーケティングやオンラインセミナーなどに力を入れることで、単月の目標を達成できるようになりました。
一方、ご紹介を通じた新規受注については、これから伸ばしていく段階です。ダイレクトセールスチームと連携し、新規導入の段階から他部署やグループ企業への紹介を促すなど、事業部全体へリファラル施策を広げ、紹介リード数を着実に増やしています。
より戦略的にリファラル施策を展開していく
この2年間を振り返ってみての実感はいかがですか?
ラクスに入社後、自分で何か新しいことを立ち上げたいという思いがありました。そのチャンスにあふれた会社ですから。とはいえ、こんなにスピーディに、自分のチームをつくれるとは思っていなかったというのが正直なところです。
試行錯誤を重ねる毎日ですが、意識しているのは、チームや事業部の全体に視野を広げ、全体最適を考えて采配すること。その面について自分の成長を感じています。
チーム化以降は、メルマガ配信、セミナーの企画・開催など、チームメンバーに自由にアイデアを出してもらい、一緒にいろんな試みに挑戦しています。まさに、ラクスが掲げるリーダーシッププリンシプルの一つ「小さく試して大きく育てる」。挑戦を重ねながら、事業部の柱になるくらい、リファラルを大きく育てたいという思いをいっそう強くしています。
では最後に、今後の目標を教えてください。
より戦略的にリファラル施策を展開し、チームをさらに拡大していくことです。現在はカスタマーサクセス(CS)経由で紹介リードを得ることも多く、まだ受動的な側面があります。今後は、より能動的にリファラルチームからお客様に働きかけ、紹介リードを開拓していきたいですね。
そのためには、導入済みのお客様にアプローチするきっかけをもっと増やしていく必要があります。製品企画のチームとも連携し、例えばアップセルを促す新機能の追加、新たなオプションの企画などにも貢献していきたいと考えています。