PROFILE
大学卒業後、機械メーカーでプラント営業を担当。その後ソフトウェアハウスに転職し、大手向けERPパッケージの法人営業を担う。2011年にラクスに入社。西日本における営業組織を新たに立ち上げ、西日本営業統括部長、メールディーラー事業統括部長を経て、2025年4月から現職に就く。
マーケティングオートメーションの機能拡充が成長のカギ
「配配メール」は2007年にリリースしたメールマーケティングシステムです。商品・サービスの会員や見込み客等に向けて、利用・購買を促すためのメールの作成・一斉配信をシンプルな操作で完結でき、導入実績は1万社以上に達しています。
ラクスでは2001年4月、ラクス初のSaaSとして統合メールサポートシステム「メールディーラー」をリリースし、現在拡大を続けるクラウド事業の先陣を切りました。その後、マーケティング分野ではメールマーケティングの有効性が注目され、ニーズが高まり始めたことから、「メールディーラー」のメール配信機能をスピンアウトするかたちで、メール配信に特化した「配配メール」をリリースしたという経緯があります。
その後、ラクスは2008年にリリースした「楽楽販売」を皮切りに、「楽楽精算」「楽楽明細」等を順次立ち上げ、バックオフィス部門の効率化を支援する楽楽クラウドシリーズを構築してきました。同シリーズの戦略は、特定の業務に特化したシステムを複数展開する「ベストオブブリード」。そのベースには先んじて誕生した「配配メール」の実績・ノウハウがあり、「配配メール」はラクスのベストオブブリード戦略を切り拓いたパイオニアともいえるのです。
では、現在のメールマーケティングシステム市場はどういった状況なのかというと、大幅な拡大トレンドとはいかないまでも、堅実な伸びを続けています。
近年のマーケティング分野ではSNSの活用が進んでいることは事実です。しかし、不特定多数へ発信するSNSと違って、メールマーケティングの場合、「展示会で名刺交換した方人」「Webセミナーに参加した方人」など、商品・サービスに関心のあるお客さまへダイレクトに情報を配信し、興味を喚起することができます。このようにターゲティングに優れ、高い費用対効果を期待できるため、これからのマーケティング戦略においても不可欠な手法です。
とりわけBtoBビジネスを行っている企業は、新規顧客との商談獲得のための手法として、メールマーケティングを重視しています。「配配メール」ではその効果を最大化するべく、商談獲得を効率化するマーケティングオートメーション(MA)ツールとして、機能・サービスの拡充を鋭意進めているところです。

アポ自動調整ツールやAIヘルプなどを実装
配配メール事業統括部として掲げているミッションは、「商談獲得サービスとして顧客の事業成長を継続的に支援する」。
そしてビジョンは「商談獲得を支える国内有数の営業支援SaaS事業になる」です。
ミッション・ビジョンの双方に共通しているのは、「商談獲得の支援」を通じて顧客と共に成長していく姿勢です。
これらを実現するための軸となるのが、商談獲得に特化したサービス「配配メール Bridge」です。同サービスでは、受注確度の高い企業リストのダウンロード機能や、Web経由での見込み客獲得支援、専任担当による運用導入支援などを提供しています。
しかし、営業の人手が足りないお客さまでは「配信したメールに反響があっても、対応できていない」「問合せに対する対応が遅れ、商談獲得を逃してしまう」といった課題も存在しました。そこで2025年2月、その解決策の一つとして「アポ調整機能」を新たに実装。手間がかかる商談アポイントの調整を自動化し、商談までのやりとりの効率化を支援しています。
2025年6月からは、AIが利用方法などの質問に即座に回答する「AIヘルプ」を提供開始しました。お客さまは24時間いつでも疑問を解決できるようになり、サービスをより快適にご活用いただけます。同時に、カスタマーサクセスチームは高度なマーケティング支援や商談獲得のコンサルティングに注力可能となり、今後さらにお客さまの成長を後押しする体制へ進化していきます。
今後もメール配信~商談獲得の代行サービスなど、さまざまな支援サービスの拡充を検討し、「商談獲得を支える国内有数の営業支援SaaS」をめざします。

仲間を思いやる気持ちが強い組織
バックオフィス部門の効率化を支援する楽楽クラウドシリーズとは違い、「配配メール」ではお客さまの売上に直接的に寄与するフロント部門を支援します。その精度を高めるためには、製品企画、開発、営業、CSなどのいずれの職種・役割においても、お客さまのビジネスモデルや営業戦略、顧客・マーケットの状況、お金の流れなどを広く理解することが必要です。
お客さまの事業構造やビジネスモデルに、業種・業界・規模を問わず幅広く触れることで、そこで得た知見をを自身の引き出しとして蓄積できます。これはどんなビジネスや職種においても応用でき、キャリア形成において大きな強みになるでしょう。
そうしたノウハウをチーム・担当の垣根を越えて日常的に共有し、お客さまとのやりとりに活かせるよう、私は事業部内で「雑談をしよう」と呼びかけています。業務と直接関係のない話題であっても、さまざまな部署や立場、年次の人たちと話すことで、会話力が磨かれ、異なる考え方に触れることができます。雑談を奨励することで、「このやり方どう思う?」「こんな事例あった?」というように、各人の経験や工夫、ノウハウをオープンに共有しあう文化が育まれます。
相互のかかわりが深まると、仲間を思いやる気持ちも自ずと芽生えてくるものです。例えばインサイドセールスが頑張って獲得したアポイントに対し、フィールドセールスが「がんばりに応えよう」と力を注ぐ。開発がスピーディに実装した機能に対し、カスタマーサクセスが「お客さま様に早く届けたい」と推進力を高める。そんな姿が日常的に見られます。
こうした人と人のかかわりを、組織運営においてこれからも大切にしていきたいと思っています。

変革期だからこそ、前例のないことにもトライ
スキル・経験を幅広く養えることも、「配配メール」の大きな特徴です。
例えば、フィールドセールス。インサイドセールスからトスアップされるリードの状況はさまざまで、導入意欲の高い場合もあれば、まだ情報収集中の段階ということもあります。展示会やWeb広告など、流入経路によってもお客さまのご要望の温度感は異なります。
他の事業部門ではお問い合わせ(リード)の特性ごとに担当を分けることもありますが、「配配メール」ではコンパクトな組織ならではのスタイルとして、セールス一人ひとりが多様なリードに対応しています。
他社と比較検討されているお客さまにはどんな情報を届けるべきか、関心が薄いお客さまにはどのようにご提案が望ましいのか。状況ごとにアプローチを考える難しさがあるからこそ、幅広いスキルが身につき、多角的に対応できる営業力を磨くことができます。
現在は、商談獲得サービスとしての付加価値を高めるべく、新たな機能や手法、AIの活用などを積極的に試し、ブラッシュアップを重ねています。チャレンジできる環境や成長する機会を求めている方にとって、「配配メール」の組織は最適だと思います。
製品としても、組織としても、新たな成長に向けた変革期にあります。だからこそ、「自分で仕掛けたい」「新しい挑戦をしたい」というと、一緒に次の成長をつくっていきたいです。

※所属・役職はインタビュー時点(2025年8月)のものです。