PROFILE
新卒でエステティック業界のプロモーションを経験し、2011年にラクス入社。
企画部門にてプロモーションや製品企画を担当後、2013年より楽楽明細の立ち上げに従事。
営業・カスタマーサクセスの経験を経て、2019年より楽楽明細事業部長に就任。
2024年より現職の楽楽精算事業統括部長に就任。
「楽楽精算」の強みは、組織力
「楽楽精算」は2009年7月にリリース以来、順調にシェアを伸ばしてきました。
近年はDXの加速、インボイス制度の導入、電子帳簿保存法の施行といった環境変化が追い風となり、現在の累計導入社数は業界トップ(※1)の18,000社(※2)に達しています。
環境変化による需要増がひと段落を迎えた今、「楽楽精算」は成熟フェーズに入りつつあるととらえています。
市場には競合プロダクトはひしめき、競合間の機能面による差も埋まりつつあるといえます。
そうしたなか、トップランナーとして走り続ける「楽楽精算」には、競合に対して圧倒的に強いポイントがあります。
それは営業とカスタマーサクセスの「組織力」です。
ラクスは健全な財務基盤のもと、急速な組織拡大を続け、体制を強化してきました。
競合他社と比較しても、営業とカスタマーサクセスの組織は圧倒的な規模感となっており、多くのお客様へ密なコミュニケーションをとることができます。
なかでも「楽楽精算」は組織拡大をけん引してきた事業であり、インサイドセールス(IS)、フィールドセールス(FS)、カスタマーサクセス(CS)などの各チームが相互に機能しあい、効果的にバリューを発揮する組織が形成されています。
ことバックオフィス業務を支援するSaaSにおいては、お客様各社の課題に応じて営業アプローチを最適化し、提案から導入後のサポートまで一貫した価値提供が重要です。
お客様1社1社をきめ細かくフォローし、お客様の課題を深くヒアリングした上での課題解決提案が求められます。
1社1社のお客様にそのような提案をするためには組織全員の提案レベルを高める必要があり、組織全体でそれを実現することは非常に難易度が高く、私たちの組織拡大のノウハウがいっそう際立つと自負しています。
また、楽楽精算の強みとして、「経理の方にとっての本当の使いやすさ」を追求しつづけ、製品開発や顧客提案をし続けてきたこともあります。
経理担当者の方々に真に寄り添い、業務効率化によってラクになっていただくためには、もちろんプロダクトの機能面の充実が欠かせません。
経費精算システム市場の初期の2009年からずっと「経理の方にとって本当に使いやすいシステム」を目指し開発を続けてきました。
累計導入者数は国内NO.1ですので、ラクスはお客様の声を他社よりも多く集めることができ、それを製品開発に生かすというプロセスを何年も続けてきました。
結果として、競合サービスに対し機能の同質化が進む中でも、経理業務を真の意味で楽にするきめ細やかな機能は「楽楽精算が一番」と自信をもって言うことができています。
しかし、このような機能は、お客様の業務を深くヒアリングした上で、真の課題を理解して提案をしないと、差別化にはなりません。
お客様の経費精算業務は、会社規模や業種業態によって千差万別です。
お客様1社1社の業務内容や課題、悩みなどを深くヒアリングし、「お客様のフローに応じて『楽楽精算』をどう運用するのがベストなのか」を、営業とCSが連携して顧客に寄り添い、導入後もサポートし続け、課題を丁寧にヒアリングして改善に導くことが重要です。
SaaSのビジネスモデルはお客様が「導入して終わり」ではなく、ずっと長く満足してご利用いただく必要があります。
その為にはカスタマーサクセスが継続的にお客様を支援できる体制作りも重要で、そういった意味でもラクスの組織力の強みが発揮されます。
これは「楽楽精算」だからこそ提供できるバリューだと考えています。
累計導入社数が増え、企業の課題が多岐にわたる今も、これからも、こうした提案・サポートを実践し続けるためには、ソリューションのベースとなる実績・ノウハウの積み上げや、高水準のサポートを行き届かせる組織力が必要となるからです。
※1:デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」より
※2:2024年9月時点

成熟フェーズに入った今、むしろやれることが大きい
「楽楽精算」がめざすのは、圧倒的なシェアNO.1を獲得することです。
先ほど楽楽精算は導入シェアNo.1であるとお伝えしましたが、安定的なシェアに達しているわけではなく、競争が激しくなるなか、さらに売上・利益をあげ、圧倒的といえるポジションを確立したいと考えています。
クラウド型経費精算システムのマーケット全体に目を向けると、まだまだシステムの導入・活用に至っていない企業が少なくはなく、まだ50%もシステム未導入の白地があります(※2025年2月現在)。
今後も売上・利益を伸ばし、成長できるチャンスがあるということです。
では、マーケットとどのように向き合っていくのかというと、やはり「楽楽精算」ならではの価値、つまりお客様に寄り添った提案・サポートについて、よりいっそうレベルを高めていくということだと考えています。
というのも、競争環境がより激化していく中で、これまで以上に提案力を高めていかないと、楽楽精算の価値を伝えきれず「競合サービスと変わらない」と思われてしまいます。
ここをしっかりお客様に伝えていく為には、1人1人の提案力を高める必要があり、さらに一段組織力を上げていかなくてはらないのですが、これは非常に難易度が高いことです。高い目標を掲げている為、常に新しい課題が生まれ続けます。
また、楽楽シリーズの複数プロダクトのクロスセルを強化することも、有効な戦略だと考えています。
とりわけ「楽楽精算」は、ラクス全体の売上・利益を引っ張っていく事業であり、多くの導入企業がいらっしゃいます。
そこにに対して電子請求書発行システム「楽楽明細」や、請求書受領システム「楽楽請求」といったクロスセルを強化することによって、大きな相乗効果を生み出すことができます。
このようなクロスセルを効果的に行う為にも、楽楽精算において高いレベルでの課題解決提案を営業・カスタマーサクセス全員が一貫して行うことで、お客様の満足度を高め続ける必要があります。
すでに楽楽シリーズとして全商材においてクロスセルを推進していますが、今後さらにスピード感をもって、「楽楽精算」が先頭に立ってクロスセルを効果的に提案するしくみをつくり、再現性を高め、楽楽シリーズ全体へ展開していきたいと考えています。

つねにアグレッシブでチャレンジングな組織
「楽楽精算」はすでに導入社数NO.1を獲得し、組織化も進んでいるとなると、「すでにでき上がっているので、面白みに欠けるのではないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、決してそうではありません。
ラクスは強固な財務基盤のもと、売上高CAGR20%~30%を継続し、「楽楽精算」も同様にスピーディに成長してきました。
その変遷をひも解くと、フェーズによって臨機応変に戦略を変え、組織編成を柔軟に変えながら、成長を叶えてきた経緯があります。
現在の「楽楽精算」も完成形でなく、まだまだ進化の途中です。
成熟期に入りつつある今だからこそ、新たなフェーズに向けて新たな課題に向き合い、戦略・組織をブラッシュアップしていくことが必要です。
楽楽シリーズの先陣を切って“成熟期の戦い方”を切り拓き、他事業のモデルとなることも可能なのです。
キャリアについても、多くの可能性が広がっています。
例えば営業部門ではFSとISに職種が分かれ、同じFSでもエンタープライズ担当など、担当顧客について役割がセグメントされています。
しかし、一人ひとりの役割が硬直化しているのではなく、部内や商材間の異動、社内公募等によってチーム間・職種間の流動性を高めており、マルチに経験・スキルを広げながらキャリアを伸ばす社員が増えています。
トップクラスのシェアを獲得した今も、非常にアグレッシブでチャレンジング。
これからも一人ひとりの活躍と成長が、プロダクト、会社の成長とリンクする実感を強く得られる環境です。

意思決定スピードを高め、NO.1への挑戦を加速
圧倒的なシェアNO.1を獲得するためには、組織としてさらに提案力と生産性を高めることが必要です。
そのためには、一人ひとりが「楽楽精算」のブランドバリューを体現し、お客様に寄り添って専門性を発揮し続けること、そのレベルを高めていくことが欠かせません。
決して簡単なことはありませんが、事業部全体が一丸となってトライしようと意気込んでいるところです。
果敢にトライを続けていけば、意思決定が必要な場面に数多く直面することでしょう。
そこで立ち止まらず、スピーディに歩みを進められるよう、私は事業部を統括する立場として「意思決定スピード」をとりわけ重視しています。
例えば、成功の確信が持てるまで情報を集めた結果、実行が1か月間遅れると、その1か月で得られたはずの改善効果が得られず、さらに競合に後れを取ってしまうかもしれません。
また、現場の意思決定スピードを高めることも重要です。
現場で起きている課題は私よりも現場のメンバーのほうが解像度が高いです。
現場の1人1人のメンバーやマネージャーが、高いレベルでボトムアップをし続けることができれば、改善スピードを高めることができます。
また、現場メンバーから提案や相談を受ける際にも、私向けに資料をつくり込む必要はなく、ラフな相談ベースで構わないと伝えています。
できるだけ早く意思決定したほうが、アクションに移しやすく、無駄を省けて生産性が高まるからです。
もちろん人間ですので、意思決定が間違ってしまうこともあるでしょう。
自らの判断ミスが大きな影響を及ぼすことに責任を自覚し、つねに代替案を用意するように意識していますが、自身が間違った判断をした際はすぐに誤りを反省しつつも、それをリカバリーするべくスピーディに次につなげます。
ラクスリーダーシッププリンシプルにも「失敗を許容する」があります。
失敗をしてもそれを生かし、学びにすれば失敗ではなくなります。
他責にせず、自分が何をすべきだったかを考え次に活かすように意識しています。
楽楽精算事業統括部の私たち一人ひとりが、そして新しく加わっていただく皆さんが、顧客のためにできることを能動的に考え、スピーディにアクションを起こし、組織としてのレベルを高める主体となることができます。
全員で成長の手応えを味わいながら、圧倒的NO.1を成し遂げましょう。