PROFILE
大学卒業後、大手マンションデベロッパー勤務を経て、2010年5月にラクスへ入社。複数サービスの営業を担当した後、東海/北陸のエリアマネージャー、チャットディーラー事業の責任者を経て、2022年10月より現職。
機能改善やサポート強化によって、シェア拡大を加速
「楽楽勤怠」は、出退勤や勤務時間、残業、休暇取得などの勤怠データを一元管理し、勤怠管理にかかる作業コストや給与計算の手間を大幅に削減するクラウド勤怠管理サービスです。実は、勤怠領域のクラウドサービスとしては後発で、2020年のリリース時にはすでに市場には多くの競合サービスが存在していました。
しかし、「楽楽勤怠」には勝算がありました。
この分野では、各社が法改正やワークスタイルの多様化に対応し、機能拡充を進めてきました。しかし、人事担当者の方々に業務実態をヒアリングしたところ、システムには多くの機能があるものの、自社の業務フローにどう組み込めばよいかわかりにくく、活用しきれていないという声が多く聞かれました。
市場では、まさにラクスの強みである課題解決力と導入・運用サポートが求められていたのです。この強みを勤怠領域で発揮することで差別化につながり、お客様の課題解決に継続的に寄り添うことで、順調に導入企業数を増やしてきました。
さらに2024年4月には、完全子会社としてクラウド勤怠管理サービス事業を手がけるラクスHRテックを吸収合併しました。同社の製品力と当社の営業力・課題解決力を組み合わせることによって、シェア拡大のスピードを加速していくという狙いがあったからです。
実際、吸収合併後、「楽楽勤怠」の機能・サービスは大幅にバージョンアップされ、お客様から高評価をいただいています。営業やカスタマーサクセス(CS)のメンバーからも「お客様の多様な課題に対応しやすくなった」「提案の幅が広がった」という声が上がっており、シェア拡大に向けた取り組みがさらに加速しています。

都市部のリプレイスと、広域エリアの白地攻略をめざす
市場の動向を見ると、勤怠領域のクラウドサービスは、2017年から始まった働き方改革を契機に利用が広がりました。それ以前も勤怠管理システムの活用は一定程度進んでいましたが、働き方改革により時間外労働の上限規制などへの対応が求められ、働き方の多様化も進んだことから、クラウドサービスの柔軟性や利便性、コストパフォーマンスの高さが評価され、市場拡大につながったと考えています。
こうした市場環境の中で、「勤怠管理」では新規導入のニーズにお応えしながら、先々を見据えて大きく2つの方針・戦略を検討しています。
1つは、勤怠管理システムの導入率が高い首都圏における、既存システムから「楽楽勤怠」へのリプレイス(移行)促進です。直近、システム利用中企業、特にクラウドシステムを導入している企業においてリプレイス意欲は上昇傾向にあります。
リプレイス検討のきっかけとしては「機能不足」をあげられるお客様が多いのですが、詳細をお伺いしてみるとやはり「現システムの機能把握ができていない」「設定が難しく反映できない」という方が多くいらっしゃることがわかりました。
楽楽勤怠には他社よりも優れた機能も多くありますし、なによりお客様の要望に沿った運用を実現するサポート力と製品の柔軟性がありますので、リプレイスによってお悩みを解決し、更なるバックオフィスの効率化に貢献したいと考えています。
現時点でもうれしいことに、「楽楽精算」「楽楽明細」などを通してサポートの手厚さや使いやすさを実感されたお客様各社から、「勤怠管理も楽楽シリーズでそろえたい」というご要望を受け、リプレイス件数を伸ばしています。今後は、他事業部からのクロスセルを含めた成功事例をしくみ化し、首都圏におけるリプレイスを加速させていきます。
もう1つは、エリアの拡大です。ラクスでは現在、東名阪の都市部に加え、福岡、札幌、広島で順次拠点を立ち上げ、日本全国へクラウドサービスによる業務支援を広げています。勤怠管理システムに関しても都市部以外のマーケットに目を向けるといまだ導入・活用が進んでおらず、紙と表計算ソフトによるアナログの業務処理を行っている企業が大半を占めています。市場には未開拓の領域が広がっているため、いかに速やかに獲得するかが、シェア拡大のカギになると考えています。

難易度が高い領域。だからこそ自身のスキルの価値を高められる
私はラクスに入社後、複数プロダクトの営業を経験しましたが、中でも、勤怠領域は特に難易度が高いと感じています。裏を返せば、それだけ自身のスキルを鍛えることができるということです。
バックオフィス業務の効率化を提案する際、必要なインプットは大きく3つあります。お客様の業務理解、法要件の理解、そしてプロダクトの理解です。中でも勤怠領域では、お客様ごとに労務環境や業務フローが大きく異なり、法要件についても、お客様ごとに雇用形態や労働時間、休日・休暇などの規制対応が異なります。
こうしたお客様個別の状況を理解したうえで、「楽楽勤怠」による課題解決策の提案や運用サポートを組み立てる必要があり、「楽楽勤怠」の営業・CSはよりコンサルティングの要素が強いといえるでしょう。勤怠領域を経験することで、自身のコンサルティング力を引き上げ、ビジネススキル向上に繋げていくことができます。
また、「楽楽勤怠」は、まだ立ち上げ期から成長期へ差し掛かったフェーズにあり、「楽楽精算」「楽楽明細」などの先行プロダクトに比べて、組織的な業務の細分化や分業化が進んでいない部分もあります。
言い換えると、一人ひとりが主体的に幅広い業務にチャレンジしながら、生産性を高めるためにどんな業務フローやしくみ、組織体制が最適なのか、自分たちで考え、分析し、構築していくおもしろさがあるということです。
すべてを0から生み出す必要はありません。
実際、若手メンバーが中心となって進めているリファラル促進プロジェクトにおいては、すでに実績をあげている「楽楽精算」のリファラル担当と連携し、「楽楽勤怠」においてもお客様のグループ企業や関連企業へ導入を広げていくというチャレンジを実施しています。私たちには先行プロダクトにおける多くの成功事例がありますので、自ら情報をキャッチアップし、現在の楽楽勤怠のフェーズでいかに実現できるかを検討・試行することも成功の秘訣です。

周辺ドメインへ事業展開し、多様なキャリアパスを提供できる事業部へ
「楽楽勤怠」がめざすのは、HRテック領域に楽楽クラウドの旗を掲げることです。勤怠領域においてトップシェアの獲得をめざすことはもちろん、勤怠領域だけでなく、例えば給与計算や人事考課・タレントマネジメントなど、周辺のドメインへ事業領域を広げ、HRテック領域でシェアを高めていきたいと考えています。
当部門に所属する社員は現在130名に達し、今後、200名、250名と組織拡大を続けていくことが事業拡大には欠かせないことだと思っています。人数が増えるにつれて、メンバーそれぞれの個性ややりたいこと、めざすキャリアが多様化していることを肌で感じています。
事業部のマネジメントを担う立場として、今後もメンバーそれぞれの思いに応え、自己実現を後押しするために、活躍の場をつくっていく責任があると自覚しています。そのためにも、既存領域でリーダー・マネージャーのポジションを増やすだけではなく、HRテック領域全体へ事業を拡大し、メンバーの役割やキャリアを広げていきたいと思っています。
もちろん私が主導するだけでなく、マネージャーやリーダー、メンバー自身が新しい機能・サービスを形にし、自らのキャリアを主体的につくっていくことに大いに期待したいです。

ゴールオリエンテッドにこだわり、自己実現を後押ししたい
私はこれまでたくさんの壁にぶつかってきました。営業として成果を出すことはできても、マネジメントをうまくこなせるようにはなかなかなれなかったのです。
そのとき、会社の教育支援などを活用しながら「リーダーとは何か」について深く考えました。そして、リーダーとはゴールを設定し、現状とのギャップを測り、それを埋めるために事業や業務を推進していける力を持った人だという考え方を学びました。
その後、私は「マネジメントができる人材になる」という自分自身の目標を掲げ、ラクスのユニークネスの一つ「ゴールオリエンテッド」を意識し、会社全体のゴールから逆算して、当時の担当商材の拡販計画を立案することに挑戦しました。その結果、経営層と話ができるレベルにまで成長し、視野が広がったことで営業としての成果も今まで以上に出すことができました。
これまで、私は色々な場面で壁にぶつかり、そのたびに乗り超えるための行動をしてきました。だからこそ、メンバーが壁に直面したとき、その壁を超えるためのサポートは惜しみません。「楽楽勤怠」は今後スケールしていくタイミング。事業の成長と自身の目標を重ね、ぜひチャレンジしてほしいと思います。
※所属・役職はインタビュー時点(2025年2月)のものです。