PROFILE
ティツェ・トーステン
楽楽勤怠開発部 テックリード
小学生時代からプログラミングを始めドイツ大手通信会社に入社してからは、ソフトウェア開発の全工程を経験した。 その後、ドイツ大手エンジニアリング企業のSAP R/3ロールアウトのため来日し、主にSAPの導入コンサルを2年ほど経験したのち、日本の大手精密機器会社のグループIT企業に入社。 既存のSaaS製品である勤怠管理/給与計算システムのゼロからのリニューアル開発に参画。2023年7月にM&Aによりラクスの子会社に転籍し、2024年4月に子会社の吸収合併によりラクスに入社。
これまでのご経歴や役割をご紹介いただけますでしょうか。
最初に入社した職場ではテストとインテグレーションエンジニアとしてキャリアを積み、幅広いハードウェアに近い開発方法や、O/Sやネットワークプロトコルなどの深い知識を得ることができました。また、業務改善の目的で、自らJavaで社内用テスト自動化ツールを開発し、全てのテストチームに展開したことで、早い段階からオートメーションの重要さに気付くことができました。
来日してからは、一時的に予算管理などを含めたマネジメント業務を行うことが多くなりましたが、転職してからは再びエンジニアとしての業務を中心に、10年以上にわたる深い勤怠管理、給与計算、年末調整のドメイン知識を得つつ、自ら独自のMVCフレームワークをゼロから作成し、新たな勤怠管理システムの開発を行いました。
現在は、楽楽勤怠の技術全般の責任者として、メンバーの技術支援や技術スタックの検討など、技術に関することを幅広く行っています。
開発されているプロダクトと、その特徴や開発思想を教えてください。
勤怠管理システム「楽楽勤怠」を開発しています。
勤怠管理システムは一見シンプルに思えますが、特に計算に関するお客様のニーズは多様です。そのため、製品企画と製品設計当初から目指していたのは、お客様のニーズに合わせるためにソフトウェアをカスタマイズするという対応ではなく、様々なお客様のニーズに対応出来る汎用的な設定を可能にすることでした。
このアプローチによって、カスタマイズなしで小規模企業から数千人規模の大企業まで、対応できるようになっています。利用顧客は小規模から大規模まで幅が広いので、発生する全ての開発案件については、問題が発生する前にパフォーマンスを考慮して設計及び開発を心掛けています。
開発戦略をどのように立てていらっしゃるのでしょうか。
我々のビジョンは勤怠管理市場でトップに立つことです。それに向けてターゲットセグメントの顧客に向けての製品ロードマップを作成し、ロードマップに従って開発を進めています。
少しでもお客様の業務を楽にすることが我々のミッションであり、それらをいち早くお客様に届けるため、機能が完成したタイミングですぐにリリースできるような体制、プロセスにしたいと思っています。
お客様より先にお客様のニーズをつかみ、競合他社よりも先に、お客様がその課題に気付いていない段階でソリューションを提供することを目指しています。また、常にAIのような新しい技術が、我々の製品ドメインでどのように活用できるかを考え、将来の技術・製品戦略やロードマップに反映できるよう努力しています。
どのような技術課題があり、どのように取り組まれていくかを教えてください。
現在は、DevOps文化・体制への移行を推進中です。
この方針を選択した理由は「開発のスピードアップ」を図るためです。このゴールに向けて最も注力している改善は、全ての開発に関連するプロセスの自動化です。
現在は、ツールを評価し、新しいCI/CDチェーンにどのように統合するかを検討している段階で、新機能や機能改善がいつでもリリースできることを目指しています。また、その取り組みに合わせて、勤怠管理の特性であるシステム負荷についても、自動スケールの活用を検討しています。
どんな開発組織に成長させていきたいですか?展望や目標を教えてください。
私たちは、市場や技術の変化に迅速に対応できるよう、アジャイル(反復的)な開発プロセスを活用し、常に製品やその製品を生み出す組織を改善し続けることを目指しています。
“Agile”や“DevOps”といったトレンドワードがまだ生まれていなかった頃からIT業界で活動し始めた私にとって、開発チームはこれらのトレンドワードや形式ではなく、そのワードの裏にある文化、マインドセットをベースにするべきと考えています。
開発と運用の間の壁を取り払い、幅広く奥深い知識を持ったDevOpsエンジニアの集団にしたいと思っています。
どんな時に仕事のやりがいを感じますか?
未知の問題に取り組み、その問題のいくつかの解決策を試し、それらを問題を改善し、最終的に根本解決に至ったときに最も満足感を感じます。エンジニアの気質ですかね。
アジャイル(反復的)なプロセスを通じて、考えた解決策が形になっていくのを見ることは、非常にやりがいがあります。
製品開発全体も同様です。開発初期段階のまだ小さなPoCを、大きな製品に育てていくと、その製品に対して愛着が出て自分の子供のような存在になります。子供と同じように成長すると手放す時期も来るとは思いますが、エンジニアとしての成長とともに、製品の成長を感じるのは、開発の一つの楽しみです。
楽楽勤怠開発部で仕事をする醍醐味を教えてください。
エンジニアとして成長できること、チャレンジできることが多くあると思っています。
現在は、DevOpsの文化、思考、プロセスに向けたアジャイル開発の組織を作り上げている最中です。開発組織には、フロントエンドやバックエンドなどのそれぞれの役割がありますが、新機能開発や既存機能改善に限定せず、インフラを含めてワンチームとなり、お客様の業務に役立つサービス提供を一刻も早く、どう達成できるかを、毎日考えて挑戦し続けています。
製品を身近に感じ、自分の子供のように愛情を持てる存在になる、そのような経験ができるかと思います。