PROFILE
吉田 紗紺
楽楽精算開発部 部長 兼 開発1課・開発5課 課長
大学卒業後、電子回路設計や洋菓子製造などを経てITエンジニアに転身。SIer・SES業界でWindowsアプリ、Webアプリ、モバイルアプリ開発に従事した後、BtoCの自社サービス開発を経験。2022年3月にモバイルチームのマネージャーとしてラクスへ入社し、現在は楽楽精算開発部全体のマネジメントを担う。
―― ラクスへの入社を決めた理由を教えてください。
前職では、BtoCサービスを開発するエンジニア組織でマネジメントに従事していました。日々やりがいを感じる一方で、より社会に広く貢献できる仕事に携わりたいという思いが強くなり、転職を考えるようになりました。
その中でラクスは、社会課題の解決につながる事業を展開していることに加え、業界をリードする企業でさらに大きな挑戦ができる点に強く惹かれました。
また、入社前からチームメンバーの方々とお話しする機会があり、皆さんの人柄や仕事への向き合い方に触れる中で、「この方々と一緒に働きたい」と思えたことが、入社の決め手になりました。
―― 楽楽精算開発部の役割について教えてください。
楽楽精算開発部は、ラクスの主力プロダクトである「楽楽精算」の開発を担う組織です。単に機能を開発するだけでなく、事業戦略を技術と開発プロセスに落とし込み、品質・性能・セキュリティを含めてプロダクトを継続的に進化させていく役割を担っています。
楽楽精算は累計20,000社を超えるお客様に導入いただいているプロダクトで、ラクスの成長を支える重要な事業の一つです。その一方で、現在の開発組織は、20,000社の基盤の上で、次の成長をつくるための複数のテーマに同時に向き合っています。
具体的には、エンタープライズ領域への対応、AIを活用した新たな価値提供、楽楽シリーズ共通基盤やドメイン隣接商材との連携強化、技術的負債の解消、そしてAIを前提とした開発プロセスの再構築です。大規模なお客様にも安心して使い続けていただける信頼性を高めながら、これまで以上に速く、広く、深く価値を届けられる開発組織へ進化させていくことが、私たちの役割です。
―― チームの日々の開発はどのように進めていますか?
PdMチームがビジネスサイドと連携して策定した案件ロードマップをもとに、要件定義、設計、開発、テストまでを進めています。これまでは年4回のメジャーリリースを軸に開発してきましたが、現在はより速く価値を届けるため、月1回のリリースサイクルへと移行しました。
一方で、事業環境や技術環境の変化が大きくなる中、開発アイテムや方針を柔軟に見直す場面も増えています。ロードマップを軸にしながらも、状況の変化に応じて優先順位や進め方を見直し、変化に強い組織へと進化しているところです。
スプリント開発を通じて、営業やCSなどの事業部メンバーとも定期的に意見交換しており、お客様にとって価値のあるものを追求する、顧客志向を前提とした開発スタイルを大事にしています。機能開発と並行して、リファクタリング、不具合修正、ライブラリ更新などの改善活動も継続的に行いながら、安定性を守りつつより速く価値を届けられる体制を目指しています。
―― AIはどのように活用していますか?
プロダクトへのAI実装と、開発プロセスそのものの変革の両軸で取り組んでいます。
プロダクト面では、AIエージェントによる伝票作成や承認業務を支援するAI機能など、複数のテーマが並行して進んでいます。ただ、AIは機能に組み込めば価値になるものではありません。「どこに使うべきか・どこは使わないべきか」「経費精算クラウドサービスとして信頼できる体験にどう落とし込むか」という問いに向き合いながら進めています。
開発プロセス面では、2025年初頭からAI駆動開発のキャッチアップを開始しました。現在は仕様駆動開発の取り組みも始まり、部全体へのナレッジ共有や標準化も進んでいます。一部のエンジニアだけが活用するのではなく、組織として再現性を持って取り入れ、成果につなげていく段階に入っています。仕様調査やレビューの進め方を見直すことで、これまでより短い時間で前に進められる場面も生まれています。
今後は、自律型AIエージェントを開発プロセスに組み込むことで、エンジニア個人の生産性向上だけでなく、組織として進められる開発量そのものを増やしていきたいと考えています。人が担うべき判断や設計の質を高めながら、AIに任せられる部分は積極的に活用し、より多くの価値をより速く届けられる開発組織を目指しています。
―― 開発チームと事業側との関わり方について教えてください。
要求や案件の整理はPdMが中心となって行うことが多いですが、開発チームも事業に深く関わりながらプロダクトづくりを進めています。
スクラム開発におけるスプリントレビューなどを通じて、営業やCSなどの事業サイドと継続的に意見交換を行っており、お客様に近い立場のメンバーから現場の声を聞きながら顧客解像度を高め、より良いものに仕上げていく文化が根付いています。
特に最近は、事業環境や技術環境の変化が大きくなっているため、開発側も「決まったものを作る」だけではなく、事業やお客様の状況を理解したうえで、より価値のある形を一緒に考えることが求められています。不確実性の高いAI関連の機能開発などでは、エンジニアも積極的に顧客ヒアリングに参加し、お客様の課題や期待を直接理解しながら開発に活かしています。
―― チームの雰囲気はいかがですか?
誠実でホスピタリティの高いメンバーが多く、安心して意見を交わせる環境だと感じています。業務中はそれぞれが集中して開発に向き合っていますが、チャット上の雑談チャンネルでは趣味のゲームや食べ物の話などで盛り上がることもあり、落ち着いて仕事に向き合える雰囲気と、気軽にコミュニケーションを取れる親しみやすさの両方があるチームです。
また、学習や発信を前向きに受け止める雰囲気もあります。個人が学習した内容や新しく得た情報を共有する場があり、技術的な知見や開発に関する工夫についてメンバー同士で意見交換することも多いです。自分の関心や得意領域を活かしながら、周囲と学び合える環境だと思います。こうした環境だからこそ、感じられるやりがいがあります。
―― メンバーにとって、どんなやりがいがありますか?
歴史あるプロダクトの「その先」をどうつくるのか、という問いに向き合えることが最大のやりがいだと感じています。エンタープライズ対応、AI機能開発、開発プロセスの進化、技術的負債の解消など、どれも簡単ではないテーマですが、だからこそ開発として取り組む意味があります。
エンジニアにとっても、新しい技術を知るだけでなく、実際の開発にどう組み込み、チームで使える形にし、価値につなげるところまで経験できる環境です。
また、事業サイドとの交流を大事にしており、定期的に営業やCSのメンバーと情報交換を行うことで、直近リリースされた案件についての感謝や手応えを直接お聞きできた瞬間は、大きなやりがいを感じられる時だと思います。
―― マネジメントにおいて大切にしていることを教えてください。
ラクスのリーダーシッププリンシプルを、マネジメントの指針として活用しています。特に、「小さく試して大きく育てる」という考え方を大切にしており、新しい取り組みはまず小さく始め、学びながら育てていくことを意識しています。
また、うまくいかなかった時も人を責めるのではなく、起きた事象にフォーカスして構造やプロセスを見直すことを大切にしています。この姿勢がチーム全体に浸透することで、メンバーが失敗を恐れずに新しい取り組みを提案できる雰囲気が生まれてきています。メンバーが安心して挑戦し、自律的に考えて動ける環境をつくることが、マネジメントにおいて重要だと考えています。
―― 活躍できる方の人物像について教えてください。
ラクスの開発組織では、「顧客志向」というマインドをとても大切にしています。判断に迷ったときには、お客様の便益を最大化できる選択は何かを考え、技術的な正しさや実装効率だけでなく、それがお客様にとって本当に価値のあるものなのかを問いながら開発できる方が活躍しやすいと思います。
また、楽楽精算の開発では、PdM、営業、CSなど、事業部門を含めた多くのステークホルダーと連携しながら進める場面が多くあります。そのため、自分の考えを分かりやすく伝え、相手の意図を汲み取りながら建設的に議論できる方に向いている環境です。
さらに、勉強会や輪読会、ハンズオンなどを通じて部全体の技術力向上にも関わっていただける方だと嬉しいです。自分の得意領域や関心を周囲に共有しながら、チーム全体で学び合える方と一緒に働きたいと思っています。
―― 入社された方と一緒に目指したいことを教えてください。
エンタープライズ対応を進め、AI機能開発を加速し、連携価値を広げながら技術的負債の解消にも取り組み、同時に開発プロセス自体もAI前提で進化させていく。これが今の楽楽精算開発部の方向性です。
現在、楽楽精算開発部は6課体制・50名規模の組織となっています。それぞれの課が担当領域を持って開発を進めていますが、同じ「楽楽精算」という一つのプロダクトを扱う開発組織であることは変わりません。そのため、各課が自分たちの領域に責任を持つだけでなく、プロダクト全体としてどう価値を届けるかを考えることが、これまで以上に重要になっています。
直近では、課をまたいだ技術課題の整理や共通方針の策定、知見共有、開発プロセスの改善など、横串で進める取り組みも増えています。入社される方には、まずは担当領域の開発にしっかり向き合っていただきつつ、ゆくゆくはチームや課を越えて、楽楽精算全体の進化に関わっていただくことを期待しています。
目指しているのは、各チームが自律的に価値を届けながらも、部全体としては一つのプロダクトをより良くするために連携できる組織です。個々の領域で専門性を発揮しながら、横のつながりを通じて開発力を高め、より速く、より大きな価値をお客様に届けられる開発組織をつくっていきたいと考えています。
