PROFILE
小栗 朗
楽楽明細開発部 開発2課 課長
メーカー系ソフトウェア会社で約10年、プログラマーからプロジェクトリーダーへとキャリアを積む。2021年5月ラクス入社後、楽楽電子保存の0→1開発からPMF達成、ラクスベトナム拠点の立ち上げまでを牽引。現在は開発をマネジメントしつつ、ラクスベトナムとの協業とAI駆動開発を推進している。
―― ラクスへの入社を決めた背景を教えてください。
前職はメーカー系ソフトウェア会社で、受託開発を中心に下流から上流まで幅広く経験しました。ものづくり自体は好きでしたが、案件ごとに作って納めて終わり、という進め方では自分が関わったものを継続的に育てていく実感が持ちにくいと感じていました。そこで転職先に求めたのは、自社プロダクトを長く開発し続けられる環境と、Web系に軸足を置けること。その条件に合致したのがラクスでした。
入社の決め手は、面接で感じた風通しの良さです。入社後に良い意味で驚いたのは、メンバーが実際的で論理的なことでした。CS・企画・セールスとも話が通しやすく、筋の通った提案であれば部署を越えてスムーズに前へ進められる環境です。
―― 担当している業務と、チームの役割を教えてください。
担当しているのは「楽楽電子保存」の開発です。電子帳簿保存法に対応し、企業が受け取る請求書などの証憑を法令要件を満たした形で保存・検索できるようにするクラウドサービスで、私はその開発課の課長を務めています。
目指しているのは、グローバル体制で楽楽電子保存の開発を主導し、大規模な処理を支えるシステム基盤を提供することです。チームは日本拠点のブリッジSEを兼ねるバックエンド4名とフロントエンド中心の2名に加え、ラクスベトナムの約10名のオフショア拠点と連携する構成で、国籍を越えたメンバーで一つの価値ストリームを担っています。日本側の課長として、スケジュール・進捗・品質に責任を持ちながら、自らも設計に手を動かすプレイングマネージャーとして動いています。
―― 日々の業務の流れを教えてください。
リリースはおおむね月1回のペースで、日々はスプリントで回しています。朝会で進捗と詰まりを共有しながら、設計・実装・レビュー・テストを並行で進める流れです。
ここ最近で大きく変わったのは、この開発サイクルの中にAIが当たり前に組み込まれてきたことです。コードを書く場面はもちろん、日々の業務のあらゆる場面で、まずAIエージェントで業務を並行で行い人で詰める、という進め方が定着しつつあります。私自身も課長としての業務やレビューの中で「ここはAIをどう活かせるか」を常に意識していて、マネージャーが率先して使うことでチーム全体の活用度を引き上げるようにしています。道具を使いこなすには使い始めが大切で、その文化を上から作っていくのも課長の役割だと思っています。
―― チームではAIをどのように活用していますか?開発や業務にどんな変化がありましたか?
チームではAIを「補助ツール」ではなく「開発の前提」として使っています。Claude CodeをはじめとするAIコーディング支援ツールを全員が日常的に使い、実装だけでなく、仕様調査・設計の壁打ち・テストやドキュメントの草案づくり・コードレビューの一次チェックまで幅広く任せています。
変化として実感しているのは、一人あたりが扱える成果物の量とスピードが大きく上がったことです。これからはAIをさらに開発プロセスの上流から組み込み、「AI駆動開発」と呼べるスタイルへ広げていきたいと考えています。同時に、AIが生み出す成果物をどう意思決定し、品質を担保するかという「人側の判断の設計」が新たな勘所になっています。AIが何かを出力できるとして、それをいつ・どこまで使うか、最終的に何を人が判断するか。その設計をマネジメントとして整えていくのが今のテーマです。
―― 開発として、事業にどのように関わっていますか?
楽楽電子保存では、開発が事業に近いところで仕様を決めています。私自身もPMMやPdM、CS(カスタマーサクセス)と直接会話しながら、顧客の課題や法令要件を踏まえて仕様を固めていきます。進め方の基本は、開発側から仕様案を作って関係者の合意を取る形です。決められた仕様をただ実装するのではなく、「何を作るか」の段階から開発が主体的に関わるのがこのチームのやり方です。
加えて、プロダクトデザイナーと連携して機能仕様だけでなくUX(使い勝手)まで含めて検討しています。技術とユーザー体験の両面から「誰のどんな課題を解くのか」を考えながら開発できるのは、このチームの特徴のひとつです。顧客の課題から発想し、それを技術で解くという流れが自然に組み込まれているのが、楽楽電子保存の開発スタイルです。
―― チームの雰囲気を教えてください。
率直に意見を言い合える雰囲気を大事にしています。チーム会議で特定の人だけが話す状態にならないよう発言を促し、アイスブレイクや雑談の余白も意識的に作っています。実際にメンバーに聞くと「話しやすい」「やさしい」「ワークライフバランスが良い」という声が多く、安心して働ける環境だと感じてもらえているようです。
日本側だけでなくラクスベトナムの開発拠点とも日常的にやり取りするため、言語や文化の違いを越えて気軽に質問・相談できる空気づくりは特に大切にしているところです。「分からない・困っている」を早く出せるチームほど、結果的に手戻りが減ると思っています。問題が表に出てこないチームよりも、問題がすぐに共有されるチームのほうが最終的にいいものができる。その感覚をメンバー全員と共有していきたいと思っています。
―― メンバーの方はチームでどんなやりがいを感じられますか?
メンバーに聞くと、まず「会社が用意してくれるAI環境が充実している」という点を挙げてくれます。Claude CodeやGeminiといったプランを業務で自由に使え、その上で顧客に役立つ機能を実際に届けられます。自分から改善や機能を提案できる距離感も魅力だと言ってくれています。
また、自社プロダクトを持っているので、AIを活用した機能の開発や、AIを活用した開発プロセスそのものへの挑戦ができます。あるBrSE(ブリッジSE)メンバーは、開発に加えてラクスベトナム拠点のマネジメントという観点でも成長できることをやりがいに感じていると話してくれました。技術・プロダクト・チームづくりと、複数の軸で伸びられるのがこのチームの面白さだと思います。
―― マネジメントにおいて重視されていることはありますか?
一つは、メンバーが率直に話せる状態を保つことです。1on1や日々のやり取りで、過密なスケジュールにならないよう負荷を見ながら、困りごとを早く拾うようにしています。もう一つは、改善提案を費用対効果で判断したうえで取り入れる仕組みを作ること。良い案を出しても通らない、では自律性が育たないので、判断基準を見える形にしています。
そして根っこに置いているのは顧客志向です。「その実装は誰のどんな課題を解くのか」を開発の判断軸として共有し、技術の良し悪しだけで決めないことを意識しています。何かを決めるとき、常にその出発点を「顧客の課題」に戻す。技術的に優れていても顧客の課題に届かない選択は取らない、という姿勢をチームとして共有していきたいと思っています。
―― 活躍できる方の人物像を教えてください。
大事にしているのは、自分なりの答えを持ちつつ、他者の意見も取り入れて客観的に判断できることです。自分で考えて決め切る力と、周囲の視点を取り込んで柔軟に見直せる力の両方を持っている方は、開発でもマネジメントでも安心して任せられます。
加えて、顧客志向で「誰のための開発か」を考えられること、そして学習意欲が高く、AIをはじめとする新しいやり方を面白がって取り入れていける方だと、変化の速いこのチームで存分に活躍してもらえると思います。「正解が決まっていない領域で自分の答えを作っていく」のが好きな方、その上でチームとして最適解を模索できる方と一緒に働きたいですね。技術そのものの面白さを追いながら、同時に「それが誰の役に立つのか」を自然に考えられる方を歓迎しています。
―― 入社後に取り組みたい課題、チームで目指す組織像を教えてください。
直近で取り組みたいのは、AIによって広がった開発スタイルを前提に、チームの形そのものを進化させることです。これまでは、ラクスベトナム拠点が価値を生み出すストリームアラインドチームとして力を発揮し、日本側はそれを支えるイネイブリングチームとして機能する。そうした体制を目指して取り組んできました。
そこからさらに、AI駆動開発によって工程の分割が薄れてきています。一人がカバーできる範囲が要件定義からテストまで一気通貫に広がっている。最終的に目指しているのは、一人が一つの要件を最初から最後まで完結でき、かつイネイブリング(周囲を支援し能力を引き上げる役割)も各自が発信できる組織です。
新しく加わる方には、この「AIを前提に一人ひとりが広い範囲を担える開発組織」を一緒に作っていく担い手としての役割を期待しています。作り上げていく過程ごと楽しめる方と一緒に働けることを楽しみにしています。
